(※注1)
NTTデータでは、各種金融のForesightをホワイトペーパーとしてまとめています。
詳細は下記HPよりご覧ください。
・NTTデータ金融分野のホワイトペーパー一覧
・ホワイトペーパー『2030年代の銀行はこう変わる 〜エージェント時代に求められる非連続進化〜』
NTTデータでは、各種金融のForesightをホワイトペーパーとしてまとめています。
詳細は下記HPよりご覧ください。
・NTTデータ金融分野のホワイトペーパー一覧
・ホワイトペーパー『2030年代の銀行はこう変わる 〜エージェント時代に求められる非連続進化〜』
銀行を取り巻く構造変化 ― 選択と集中の時代へ
銀行業界は、金利上昇、人口減少、AIの劇的な進化、地政学リスクの顕在化といった複合的な環境変化に直面しています。図1は、こうしたマクロ環境の変化と、それが国内銀行に与える影響、さらに中期的に取り組むべきテーマを体系的に整理したものです。
経済面では、金利復調は利ざや改善の好機である一方、物価高や信用コストの上昇が経営を圧迫しています。社会面では既存市場の縮小が進む一方、事業承継や資産形成層といった新たな成長領域への対応が収益源として重要になっています。生成AIの実用化と異業種プレイヤーの台頭は競争のルールを変え、銀行は従来型金融の延長線上では持続的な競争優位を確保できなくなりつつあります。
人手不足や物価高騰によりリソース制約が強まる中、あらゆる領域に手を広げるこれまでのやり方は通用しなくなっています。求められるのは経営資源の「選択と集中」です。
中期テーマは三つに整理されます。第一に「攻めのドメイン選択」。自行が勝てる市場を見極め、金融・非金融のケイパビリティを再編し、差別化を図ることです。第二に「AIによる接点の高度化」。非対面チャネルの効率化だけでなく、対面チャネルを高付加価値業務へ集中させ、接点そのものを高度化することが求められます。第三に「攻守を両立する事業基盤の改革」。セキュリティや事務の堅牢化(守り)と、AI活用に適した組織・基盤への転換(攻め)を同時に進める必要があります。
これら「戦略・接点・基盤」の一体改革こそが、2030年代の競争優位を決定づけます。
経済面では、金利復調は利ざや改善の好機である一方、物価高や信用コストの上昇が経営を圧迫しています。社会面では既存市場の縮小が進む一方、事業承継や資産形成層といった新たな成長領域への対応が収益源として重要になっています。生成AIの実用化と異業種プレイヤーの台頭は競争のルールを変え、銀行は従来型金融の延長線上では持続的な競争優位を確保できなくなりつつあります。
人手不足や物価高騰によりリソース制約が強まる中、あらゆる領域に手を広げるこれまでのやり方は通用しなくなっています。求められるのは経営資源の「選択と集中」です。
中期テーマは三つに整理されます。第一に「攻めのドメイン選択」。自行が勝てる市場を見極め、金融・非金融のケイパビリティを再編し、差別化を図ることです。第二に「AIによる接点の高度化」。非対面チャネルの効率化だけでなく、対面チャネルを高付加価値業務へ集中させ、接点そのものを高度化することが求められます。第三に「攻守を両立する事業基盤の改革」。セキュリティや事務の堅牢化(守り)と、AI活用に適した組織・基盤への転換(攻め)を同時に進める必要があります。
これら「戦略・接点・基盤」の一体改革こそが、2030年代の競争優位を決定づけます。

■図1:銀行業界を取り巻く環境と課題(ホワイトペーパーP3より)
実装の進化段階 ― 非連続進化への転換点
図2は、銀行のデジタル実装がどの段階にあるのか、そしてどこが転換点なのかを示しています。国内銀行の競争優位は、デジタル実装をLv.3、すなわち「顧客・事業全体を支援するモデル」へいかに昇華できるかにかかっています。
Lv.1は既存サービスのデジタル化や基盤の強化といった初期フェーズ、Lv.2は付加価値サービスの拡充や業務効率化の段階です。多くの銀行は現在この段階にあります。
しかし本当の転換点はLv.3です。図2が示す通り、ここから設計思想そのものが変わります。顧客接点ではエージェント型AIを活用した高度なアドバイザリ機能を実装し、非金融を含む統合ソリューションへと転換します。事務ではAIネイティブな「人ゼロ」プロセスへの移行が進み、基盤・組織も同時に刷新が求められます。これは従来の効率化の延長ではなく、ビジネスモデルの根幹に関わる非連続進化です。
Lv.3への移行は、単なるIT投資の拡大ではありません。顧客体験、業務プロセス、組織運営の前提を同時に変えることを意味します。この段階で設計思想を転換できるかどうかが、2030年代の競争優位を左右します。
さらにLv.4では、多様なエージェント型AIが普及した社会において、銀行が顧客の主導権を確保できるかが問われます。パーソナルAIのポジションを獲得できるかどうかが最終的な分岐点となります。
Lv.1は既存サービスのデジタル化や基盤の強化といった初期フェーズ、Lv.2は付加価値サービスの拡充や業務効率化の段階です。多くの銀行は現在この段階にあります。
しかし本当の転換点はLv.3です。図2が示す通り、ここから設計思想そのものが変わります。顧客接点ではエージェント型AIを活用した高度なアドバイザリ機能を実装し、非金融を含む統合ソリューションへと転換します。事務ではAIネイティブな「人ゼロ」プロセスへの移行が進み、基盤・組織も同時に刷新が求められます。これは従来の効率化の延長ではなく、ビジネスモデルの根幹に関わる非連続進化です。
Lv.3への移行は、単なるIT投資の拡大ではありません。顧客体験、業務プロセス、組織運営の前提を同時に変えることを意味します。この段階で設計思想を転換できるかどうかが、2030年代の競争優位を左右します。
さらにLv.4では、多様なエージェント型AIが普及した社会において、銀行が顧客の主導権を確保できるかが問われます。パーソナルAIのポジションを獲得できるかどうかが最終的な分岐点となります。

■図2:実装の進化段階(Lv.1〜Lv.4)(ホワイトペーパーP4より)
銀行業界を取り巻くテクノロジー進化のステップ
図3は、銀行業界を取り巻くテクノロジーの進化のステップを示したものです。銀行ビジネスは、レガシー基盤からデジタル化、AI活用へと段階的に進化し、業務やサービスの中心は「人の作業」から「デジタルによる自律処理」へと移りつつあります。
レガシー基盤時代には、紙や店舗を前提に人が直接処理を行う業務構造が中心でした。その後、デジタル化の進展により、インターネットバンキングやモバイルアプリが普及し、人がデジタルを操作して手続きを行う形へと変化しました。さらにAI時代においては、生成AIなどを活用し、人の判断を補助しながら業務の一部が自動化され、業務プロセスの高度化が進んでいます。
そして2030年代に向けて見えているのが、エージェントがサービスや業務プロセスの中心となる「エージェント時代」です。エージェント同士が連携しながら自律的に処理を進めることで、業務は人を介さず完結し、人の役割は監視やガバナンスへとシフトしていきます。こうした構造変化により、銀行の在り方そのものが大きく変わっていくことが想定されます。
レガシー基盤時代には、紙や店舗を前提に人が直接処理を行う業務構造が中心でした。その後、デジタル化の進展により、インターネットバンキングやモバイルアプリが普及し、人がデジタルを操作して手続きを行う形へと変化しました。さらにAI時代においては、生成AIなどを活用し、人の判断を補助しながら業務の一部が自動化され、業務プロセスの高度化が進んでいます。
そして2030年代に向けて見えているのが、エージェントがサービスや業務プロセスの中心となる「エージェント時代」です。エージェント同士が連携しながら自律的に処理を進めることで、業務は人を介さず完結し、人の役割は監視やガバナンスへとシフトしていきます。こうした構造変化により、銀行の在り方そのものが大きく変わっていくことが想定されます。

■図3:テクノロジー進化ステップ(ホワイトペーパーP5より)
海外大手銀行は何を始めているか
海外大手銀行は、AIを単なるコスト削減ツールとは位置づけていません。図4が示す通り、AIを「組織の構造」と「企業文化」を刷新する変革の中核と捉えています。経営トップダウンで同時多発的なAI開発を推進し、それに耐えうる基盤と組織を整備しています。
重要なのはAIを導入することではなく、AIが進化し続ける組織を構築することです。大量のトライ&エラーを許容する文化を前提に、企業運営そのものをAIネイティブに変えていく取り組みが進んでいます。AIはもはや技術テーマではなく、企業が経営として優先的に取り組むべき重要課題なのです。
重要なのはAIを導入することではなく、AIが進化し続ける組織を構築することです。大量のトライ&エラーを許容する文化を前提に、企業運営そのものをAIネイティブに変えていく取り組みが進んでいます。AIはもはや技術テーマではなく、企業が経営として優先的に取り組むべき重要課題なのです。

■図4:海外大手銀行のAI戦略(ホワイトペーパーP6より)
前編まとめ
2030年に向けた変革は、デジタル高度化や単なるAI導入ではありません。金利上昇、人口減少、AI進化という複合的な環境変化の中で、銀行は「戦略・接点・基盤」の一体改革を通じて、自らの存在意義を再設計する必要があります。非連続進化とは、銀行のビジネスモデルそのものを再構築する挑戦です。
後編では、エージェント型AI時代における銀行の具体的なポジショニング戦略と、フロント・事務・基盤・組織に求められる抜本的変革に踏み込みます。
後編では、エージェント型AI時代における銀行の具体的なポジショニング戦略と、フロント・事務・基盤・組織に求められる抜本的変革に踏み込みます。
※本記事の内容は、執筆者および協力いただいた方が所属する会社・団体の意見を代表するものではありません。


X

