INSネットってなに??
INSネットとは
皆さんは、INSネットという言葉を聞いたことがありますか?INSネットというのは、「Information Network System」の略称で、電話線を使用したデジタル回線のインターネット通信技術です。
INSネットがどのようなものなのかわかりやすく説明するため、インターネット回線高速化の歴史を振り返ってみましょう。
・ダイアルアップ接続
1980年代後半から1990年代後半は、電話回線を使ったダイアルアップ接続のパソコン通信が主流でした。通信と電話の両方が同時にできない、ホストコンピュータにつながった回線同士でしかやり取りができないなどかなり限定的な通信方法で、通信速度が遅い・電話代がかさむなどの課題が多くありました。
・ワールド・ワイド・ウェブ
その後、1990年に世界中の人々をつなげる「ワールド・ワイド・ウェブ(www)」が誕生し、パソコン通信は衰退の一途をたどります。
・INSネット
1990年後半には、電話回線の応用としてINSネットが多くのユーザーに使われるようになりました。それまでインターネット接続方法はダイアルアップ接続やアナログ接続でしたが、INSネットではデジタル回線で64Kbps という通信速度を実現し、人々はより高速なインターネットを利用できるようになりました。またINSネットは、電話・FAX・インターネットを並行して使用することができるという特長をもちます。
・ADSL
さらに、2000年代初頭には、ブロードバンド接続の「ADSL」というINSネットよりも速い回線が一般に普及し始めました。しかし、高速かつ大容量の通信を可能にしたものの、安定性に難がありINSネットを従来のまま活用する家庭や企業も多くいました。
・光回線
その後、2000年代中期には家庭用の「光回線」が登場し、1Gbpsという驚異の通信速度を実現しました。
このようにインターネットの高速化が実現されてきたという歴史がありますが、企業や金融機関との間のデータ通信では長らくINSネットが利用されています。これは、INSネットが複数の通信が可能で、電話・FAX・インターネットを同時に利用できるという特長をもっているからです。
(※)INSネットとISDNの違い
よくある疑問として「INSネットとISDNとの違い」が挙げられますが、基本的に同じものを指します。INSネットがNTT東日本・西日本の登録商標であるのに対して、「ISDN」は世界標準化された国際規格の名称になっています。
国内では実質的に同義に扱われています。
INSネットがどのようなものなのかわかりやすく説明するため、インターネット回線高速化の歴史を振り返ってみましょう。
・ダイアルアップ接続
1980年代後半から1990年代後半は、電話回線を使ったダイアルアップ接続のパソコン通信が主流でした。通信と電話の両方が同時にできない、ホストコンピュータにつながった回線同士でしかやり取りができないなどかなり限定的な通信方法で、通信速度が遅い・電話代がかさむなどの課題が多くありました。
・ワールド・ワイド・ウェブ
その後、1990年に世界中の人々をつなげる「ワールド・ワイド・ウェブ(www)」が誕生し、パソコン通信は衰退の一途をたどります。
・INSネット
1990年後半には、電話回線の応用としてINSネットが多くのユーザーに使われるようになりました。それまでインターネット接続方法はダイアルアップ接続やアナログ接続でしたが、INSネットではデジタル回線で64Kbps という通信速度を実現し、人々はより高速なインターネットを利用できるようになりました。またINSネットは、電話・FAX・インターネットを並行して使用することができるという特長をもちます。
・ADSL
さらに、2000年代初頭には、ブロードバンド接続の「ADSL」というINSネットよりも速い回線が一般に普及し始めました。しかし、高速かつ大容量の通信を可能にしたものの、安定性に難がありINSネットを従来のまま活用する家庭や企業も多くいました。
・光回線
その後、2000年代中期には家庭用の「光回線」が登場し、1Gbpsという驚異の通信速度を実現しました。
このようにインターネットの高速化が実現されてきたという歴史がありますが、企業や金融機関との間のデータ通信では長らくINSネットが利用されています。これは、INSネットが複数の通信が可能で、電話・FAX・インターネットを同時に利用できるという特長をもっているからです。
(※)INSネットとISDNの違い
よくある疑問として「INSネットとISDNとの違い」が挙げられますが、基本的に同じものを指します。INSネットがNTT東日本・西日本の登録商標であるのに対して、「ISDN」は世界標準化された国際規格の名称になっています。
国内では実質的に同義に扱われています。
INSネットの利用シーン
では、INSネットは実際どのような場面で使われているのでしょうか?
皆さんの身近なところでいうと、以下のようなものが挙げられます。
①お店のレジ:企業の本部⇔店舗間のPOS端末通信
お店のレジから運営企業の本部に売上のデータを送る際、POSという販売情報管理のシステムで、INSネットを使っています。POSシステムは、お店の売上管理だけでなく、店舗の在庫状況をタイムリーに把握できるため、スピーディーな判断や効率化を実現することに役立っています。
②クレジットカード決済端末(CAT端末):クレジットカード会社⇔店舗間のクレジットカード決済端末などの通信
これは、お店でお客さんが買い物をする際に、クレジットカードの信ぴょう性を確認するためのものです。クレジットカードを利用する際に、端末にカードを差し込むと、会員情報がカード会社に伝送されます。カード会社は有効性を確認し、カードを使ってよいかの結果を返します。この通信で利用されているのが、INSネットです。
③電子データ交換(EDI):メーカー・卸売業・小売業間の商品受発注データ通信
電子データ交換とは、メーカー・卸売業・小売業などの企業間取引で発生する、契約書や受発注書、請求書などといった帳票のやり取りです。このような場面でもINSネットが利用されています。
④企業のEB(エレクトロニックバンキング):銀行⇔企業間のEB(振込・口座照会)
EB(エレクトロニックバンキング)とは、振り込みや取引口座の照会を行うサービスの総称です。例えば、企業のEBでは、下図のように、金融機関と企業(お客様)のパソコンをつなぐ回線というイメージでINSネットが利用されています。
このように、INSネットの信頼性や堅牢性を活かした使われ方をしています。
皆さんの身近なところでいうと、以下のようなものが挙げられます。
①お店のレジ:企業の本部⇔店舗間のPOS端末通信
お店のレジから運営企業の本部に売上のデータを送る際、POSという販売情報管理のシステムで、INSネットを使っています。POSシステムは、お店の売上管理だけでなく、店舗の在庫状況をタイムリーに把握できるため、スピーディーな判断や効率化を実現することに役立っています。
②クレジットカード決済端末(CAT端末):クレジットカード会社⇔店舗間のクレジットカード決済端末などの通信
これは、お店でお客さんが買い物をする際に、クレジットカードの信ぴょう性を確認するためのものです。クレジットカードを利用する際に、端末にカードを差し込むと、会員情報がカード会社に伝送されます。カード会社は有効性を確認し、カードを使ってよいかの結果を返します。この通信で利用されているのが、INSネットです。
③電子データ交換(EDI):メーカー・卸売業・小売業間の商品受発注データ通信
電子データ交換とは、メーカー・卸売業・小売業などの企業間取引で発生する、契約書や受発注書、請求書などといった帳票のやり取りです。このような場面でもINSネットが利用されています。
④企業のEB(エレクトロニックバンキング):銀行⇔企業間のEB(振込・口座照会)
EB(エレクトロニックバンキング)とは、振り込みや取引口座の照会を行うサービスの総称です。例えば、企業のEBでは、下図のように、金融機関と企業(お客様)のパソコンをつなぐ回線というイメージでINSネットが利用されています。
このように、INSネットの信頼性や堅牢性を活かした使われ方をしています。
「銀行と企業をつなぐINSネット」
INSネットはなぜ終了するの?
INSネット終了の理由
そんなINSネットですが、NTT東日本・NTT西日本から、2024年1月よりINSネット(ディジタル通信モード)のサービス提供終了が発表されています。
サービス終了の主な理由は、中継交換機などの回線設備の老朽化やIP網の普及によるアナログ電話網の有用性減少、スマートフォンの普及による固定電話回線需要の減少だと言われています。
サービス終了の主な理由は、中継交換機などの回線設備の老朽化やIP網の普及によるアナログ電話網の有用性減少、スマートフォンの普及による固定電話回線需要の減少だと言われています。
INSネットのビジネス利用に注意
INSネットには2つのモードがあります。
主に音声通話を担うINSネット「通話モード」は引き続き利用できますが、主にデータ通信を担う「ディジタル通信モード」が終了となります。2024年以降も音声通話サービスは今まで通り利用できますし、電話機の交換等も不要です。音声通話でだけ固定回線を利用しているユーザーにとっては、ほとんど関係ない技術的な変化です。しかし、INSネットをビジネスのデータ伝送回線として利用している場合には、非常に大きな問題となります。
その理由は、後ほど詳しく説明していきます。
主に音声通話を担うINSネット「通話モード」は引き続き利用できますが、主にデータ通信を担う「ディジタル通信モード」が終了となります。2024年以降も音声通話サービスは今まで通り利用できますし、電話機の交換等も不要です。音声通話でだけ固定回線を利用しているユーザーにとっては、ほとんど関係ない技術的な変化です。しかし、INSネットをビジネスのデータ伝送回線として利用している場合には、非常に大きな問題となります。
その理由は、後ほど詳しく説明していきます。
INSネット終了までのスケジュール
スケジュールについて
こちらが、INSネット終了までのスケジュールです。
「INSネット終了までのスケジュール」
INSネットは、NTT東日本・NTT西日本により、2024年1月に終了とIP網への移行が発表されました。
業務にINSネットを利用している企業にとって、2024年1月は現在の方法で利用を続けられる最終期限となります。切り替え準備に要する期間を考えれば、すぐに検討が必要な状況にあるといえるでしょう。
業務にINSネットを利用している企業にとって、2024年1月は現在の方法で利用を続けられる最終期限となります。切り替え準備に要する期間を考えれば、すぐに検討が必要な状況にあるといえるでしょう。
INSネット補完策のリスク
また、INSネット(ディジタル通信モード)の終了までに別サービス等への移行が間に合わない企業に対して、当面の補完策として、「切替後のINSネット上のデータ通信」が2027年頃まで提供される予定です。しかし、IP化後の補完策には、様々なリスクが生じます。
①伝送遅延によるリスク
・INSネット(ディジタル通信モード)の終了後、補完策へ移行した場合
通信時間が最大約2倍
・固定電話のIP網への切り替え後の加入電話を利用する場合
通信時間が最大約3倍
(上記、検証試験結果。補完策は全銀協様、固定電話はNTT東西による検証)
②機器の相性問題により接続できないリスク
③網側の切替えが一括で行われ急に接続できなくなるリスク
補完策の利用については上記の問題が生じるリスクがあるため、期間内(2024.1まで)に後継サービスへの移行を推奨されています。
①伝送遅延によるリスク
・INSネット(ディジタル通信モード)の終了後、補完策へ移行した場合
通信時間が最大約2倍
・固定電話のIP網への切り替え後の加入電話を利用する場合
通信時間が最大約3倍
(上記、検証試験結果。補完策は全銀協様、固定電話はNTT東西による検証)
②機器の相性問題により接続できないリスク
③網側の切替えが一括で行われ急に接続できなくなるリスク
補完策の利用については上記の問題が生じるリスクがあるため、期間内(2024.1まで)に後継サービスへの移行を推奨されています。
INSネットの終了は、どんな影響があるの?
INSネット回線終了ですが、具体的に企業におけるどんな業務に影響があるのでしょうか。
業種に関わらず皆さんの会社に必要である経理業務を例に影響をみてみましょう。
業種に関わらず皆さんの会社に必要である経理業務を例に影響をみてみましょう。
EB/FBサービスへの影響
会社において重要なお金の管理を司る経理業務では、オフィスで振込や入出金明細の確認するEB(エレクトロニックバンキング)/FB(ファームバンキング)サービスにおいて、INSネットディジタル通信モードが多く利用されています。
EB/FBサービスは、利用端末や回線種類に応じて「コンピュータバンキング」「パソコンバンキング」「インターネットバンキング」の3つのラインナップが金融機関から提供されています。このうち「コンピュータバンキング」「パソコンバンキング」については、固定電話(アナログ)・INSネットを利用しており、2024年1月以降のご利用が推奨されておらず、後継サービスへ移行を進める必要があります。
(※) 「コンピュータバンキング」とは、企業のホストコンピュータから人手を介すことなく自動で総合振込・給与振込を行うなど、基幹系システムと連携して自動で金融機関と接続しているケース。
(※) 「パソコンバンキング」とは、PC端末にEB専用ソフトをインストールして、振込・振替や残高照会、総合振込・給与振込等を利用しているケース。)
(※)ラインナップは一般的な名称を記載しており、個々のサービス名は各金融機関により異なります。
EB/FBサービスは、利用端末や回線種類に応じて「コンピュータバンキング」「パソコンバンキング」「インターネットバンキング」の3つのラインナップが金融機関から提供されています。このうち「コンピュータバンキング」「パソコンバンキング」については、固定電話(アナログ)・INSネットを利用しており、2024年1月以降のご利用が推奨されておらず、後継サービスへ移行を進める必要があります。
(※) 「コンピュータバンキング」とは、企業のホストコンピュータから人手を介すことなく自動で総合振込・給与振込を行うなど、基幹系システムと連携して自動で金融機関と接続しているケース。
(※) 「パソコンバンキング」とは、PC端末にEB専用ソフトをインストールして、振込・振替や残高照会、総合振込・給与振込等を利用しているケース。)
(※)ラインナップは一般的な名称を記載しており、個々のサービス名は各金融機関により異なります。
もし移行が完了できないとどうなる!?
もし移行が完了できなければ、アナログ通信や補完策を利用することになり、「3.INSネット終了までのスケジュール」で説明した、伝送遅延等の課題が生じることが確認されています。伝送遅延だけでなく、最悪の場合EB/ FBサービスがストップし、入出金や口座照会ができなくなる可能性もあります。
直前に移行することの危険性
「いやいや2024年ってまだまだ先でしょ」「直前に対応すればいいや」
そんな風に思っていませんか?
INSネット終了直前の移行は危険です。
新しいシステムに移行するためには、システムの選定やテスト、新たな業務体制の構築、従業員への周知・教育など様々な準備が必要となり、時間がかかります。
回線終了直前は混雑が予想されるため、移行が間に合わなくなることも…
もしまだINSネットディジタル通信モードを業務利用している場合は、「早急に」移行の準備を始める必要があります!!!
まずはご自身の部署の業務について影響確認からはじめてみてください。
そんな風に思っていませんか?
INSネット終了直前の移行は危険です。
新しいシステムに移行するためには、システムの選定やテスト、新たな業務体制の構築、従業員への周知・教育など様々な準備が必要となり、時間がかかります。
回線終了直前は混雑が予想されるため、移行が間に合わなくなることも…
もしまだINSネットディジタル通信モードを業務利用している場合は、「早急に」移行の準備を始める必要があります!!!
まずはご自身の部署の業務について影響確認からはじめてみてください。
さいごに
今回の記事で「INSネット(ディジタル通信モード)が終了する」という事実と、それによる影響についてご理解いただけたかと思います。
NTTデータではEB/ FBサービスについて推奨される後継サービスもご用意しており、実際に多くのお客様からもINSネット終了と後継サービスに関するお問い合わせをいただいております。
以下判定チャートもご用意しているので、皆様にとって最適な後継サービス検討のお役に立てれば幸いです。
NTTデータではEB/ FBサービスについて推奨される後継サービスもご用意しており、実際に多くのお客様からもINSネット終了と後継サービスに関するお問い合わせをいただいております。
以下判定チャートもご用意しているので、皆様にとって最適な後継サービス検討のお役に立てれば幸いです。