「金融が変われば、社会も変わる!」を合言葉に、未来の金融を描く方々の想いや新規事業の企画に役立つ情報を発信!

金融が変われば、社会も変わる!

コラム

デジタル革新でつなぐ未来の農業~JAと学生が拓く新たな道~

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インターン生の森山さんと岡山さんは、JAバンクの新しいデジタルサービスを企画するため、日本各地のJAを駆け回りました。現地で話を聞けば聞くほど、金融の先にある農業の課題を解決する必要を痛感します。そしてたどりついたのは学生の長い休暇を補助労働力に活かし、Jターン就農につなげていく学生ならではのアイディアでした。デジタルサービス企画者の皆さんが求めるちょっと違う角度の視点がここにはあります。

「農業に興味があるけど、実際仕事にするって難しそう」と考えている人は少なくないはずです。農業従事者は年々減少しており、地方では少子高齢化の問題も関係しています。日本の第1次産業の未来を守るために、学生ができることはないのか?そんなことを考え、全国を飛び回りJAや農家の実際の声を聞いた大学生4人のインターンから生まれた、農業体験のアイディアをご紹介します!

農業従事者の減少~新規就農はハードルが高い?~

Aさん

農業従事者が減少しているのって、高齢化に伴っているんだよね。今は新規就農者数よりも高齢によって農業をやめる人数のほうが多いから、新しく農家になる人を増やせば解決しそうだけど、どうしたらいいのかな。

Bさん

僕の実家は農家だけど、僕でさえ今は農業を継ごうとは考えていないよ。

Cさん

どうして?

Bさん

農業を始めるにあたってのハードルが高いんだ。初期費用や維持費のコスト面や、暑い中でも寒い中でも休みなく働かないといけなくて身体的にも大変だし、熱心に働いたとしても自然環境の影響で安定した収入を確保するのが難しいんだよね。

Aさん

そうなんだ…… 実家が農家なのにそんなにハードルが高いなら、まっさらなところから始めるのなんてとても簡単なことではないね。

Bさん

そうだね。土地を確保するのも親や知り合いとかがいないと難しいから、今は雇用就農のほうが多い現状だよ。

Cさん

新規雇用就農しても、理想と現実のギャップでやめてしまう人も多いみたいだね。

Aさん

そっか。やっぱり新しく農業を始めるってとてもハードルが高いんだね。どうやったらハードルを下げられるんだろう。

補助労働力って?機械化では解決しない問題がある

Cさん

農業従事者が減ることで、どんな問題があるの?

Bさん

労働力が足りていないんだよ。高齢の農家も増えているから、仕事が大変なんだ。

Aさん

でも最近は機械化が進んでいるから作業が楽になったんじゃないの?

Bさん

そうでもないんだよ。機械を導入するのはすごくコストがかかるうえに、農作業には手作業が必要な場面が必ず出てくるんだ。例えば雑草取り、支柱を立てる作業、収穫した野菜を洗って箱に詰める作業とか、機械作業後の仕上げとかね。

Cさん

そうだったんだね!じゃあそれは今はどうやって補っているの?

Bさん

シルバー人材センターから高齢者を雇ったり、外国人労働者を雇ったり。こういうのを補助労働力っていうよ。

Aさん

でもどちらも持続可能ではないよね。高齢者が引退してしまったら一気に担い手がいなくなるし、外国人労働者も数年で帰国してしまうから、将来の新規就農につながることはない……か。

気軽にアプリで農業が手伝えるしくみとは!

Aさん

私たちに何かできることはないのかな?

Cさん

私たちが補助労働力としてはたらくことはできないのかな。

Bさん

補助労働力が必要になる作業は単純な手作業とかが多いから、知識があまりなくても手伝えると思うよ。

Aさん

そうなんだね、じゃあ単発バイトとか夏休みに農家でバイトとかできたらいいのに!

Cさん

たしかに!私は夏休み地方に帰省するけど、家でダラダラしてるだけだからなー

Bさん

帰省の時はバイトも休むから収入もないしね。じゃあ、自分の地元の農業を手伝えるしくみがあったら手伝いたい?

Cさん

お給料はいるならやりたいかも!地元に貢献できるのも嬉しいし!

Aさん

私は東京出身だから、地元の農業とかあんまりないな……

Cさん

じゃあ、一緒に私の地元に来てやろうよ!地元を案内したいし!

Bさん

そういう人が増えたらどこも農業の活性化ができそうだな
・アプリで地元の農業を手伝えるかも!?

若者が気軽に農業を手伝える環境を整えることは、補助労働力の確保や、将来の新規就農につながる重要なことだということがわかってきました。

そこで学生が補助労働力のアルバイトとして農業を手伝う仕組みを提供するアプリがあれば、より多くの若者が農業に関心をもってくれると考えました!

補助労働力を募集する農家と学生をマッチング

地元JAからの農業情報発信

・学生と農家を補助労働力を通じてつなぐマッチングアプリ

1. 地元の農協と高校が連携し、サイトやアプリに登録してもらう

→ 高校卒業、または上京するタイミングを活用して登録します。

2. 農協が定期的に地元の情報を共有する

→ 「ニンニク出荷量、東北町が青森で1位に!」、「〇月〇日お祭り開催!」など、地元に関する情報を発信することで、地元の農業をいつも身近に感じてもらいます。

3.地元に帰る学生が、農家の補助労働力として手伝うための情報提供、マッチング

→ 農家の繁忙期といった補助労働力需要と、学生の長期休みなどの補助労働力供給をマッチングできる仕組みを提供します。
 報酬の支払いは仕組みを提供するJAと関係の深いJAバンクが行うことで、農家も学生も安心してお金を受け渡しできる仕組みが提供できます。 

まとめ ~農業に触れる機会を増やすのがカギ!~

私たちがインターン中にJAの人たちからお聞きした話から分かってきたのは、親元が農家じゃない新規就農者数が少ないため、まっさらな状態からの新規就農は技術や農地の獲得などにおいてかなりハードルが高く、継続率も高くないという大きな課題でした。

一方で、実家が農業を営んでいても、一度社会に出て親が高齢になったら農業を継ぐ、という考えを持った第二世代も多くいるため、親元が農家の新規就農希望者も潜在的であることがわかりました。

こうした事実は農業の現場から遠く離れた大学にいる我々学生には知りえないことでした。しかしインターン中に実際に福島で収穫をお手伝いすると、農業の補助労働は決してハードルの高い作業ではありませんでした。学生の私たちにとっては、地元に帰省している間にはバイトができず収入がなくなるため、地元でできる短期的なアルバイトがあればありがたいですが、なかなかそういった情報は見つかりません。ましてや農業にかかわるアルバイトを探す学生は、もともと農業に興味のある人がほとんどだと思います。

補助労働力を必要とする農家と帰省中のアルバイト先を探している学生のマッチングをするのに、JAは最適な仲介者となれるのではないでしょうか?そして多くの学生に農業に触れる機会を提供することができます。そのための便利な手段として、いまではほぼすべての学生が所持しているスマートフォンがあります。

JAなら農家の親元を離れている第二世代や、就農に興味を持つ新しい若者にもスマートフォンアプリを通じて、豊富な情報発信をすることができます。地元を忘れないように、帰省した際には気軽に手伝える、そんな環境を構築できます。

なによりも、将来的に農業の担い手となる世代が補助労働力として農業にかかわる機会を増やすことで、新規就農のハードルを下げ、就農率を高めるという大きな目的が達成できるのではないでしょうか?

Bさん

これなら実家の農家を継いだ後も補助労働力を確保できるね。もしかしたら、大学の友達と農業してるかもね!

Cさん

地元の農業のことを手軽に知れたら、もっと手伝いたくなると思う!

Aさん

私みたいに首都圏出身の人も、友達について行って一緒に手伝えるからいいね!
このようなデジタルサービスがあれば新世代の新規就農を応援できるのではないでしょうか!皆さんがもっと農業に興味をもって、日本の農業の未来について考えるきっかけになれば幸いです!
【この記事を書いてくれた人】
森山杏南(もりやまあんな)

森山杏南(もりやまあんな)

中央大学法学部杉浦金融法ゼミに所属。3歳からクラシックバレエを10年習い、中学で競技チアダンスに転身。全米大会出場に憧れ、チアダンスの魅力にのめり込んだ。大学ではソングリーディング部Garnetsで副主将を務めた。
負け試合が続き、みんなが自信を失ったときには、中高時代の悔しい経験をリーダーとして活かし、魂から優勝の夢を語り、みんなの根底にある勝ちたい気持ちを呼び起こした。練習の雰囲気を盛り上げ、時には活を入れて、メンタルケア、モチベーション向上に尽力し、チームを再び結束させた。
その結果、国内大会でも多数入賞、中高時代には果たせなかった全米大会優勝を成し遂げた。次に挑戦したいことは、キックボクシング。
岡山侑禅(おかやまゆうぜん)

岡山侑禅(おかやまゆうぜん)

中央大学法学部杉浦金融法ゼミに所属。大学入学と共に青森県から上京。実家は農家で主に長芋、大根、ニンニク、などを栽培しており、幼少期の休日は泥まみれになりながらお手伝いをしていた。小中高とサッカーをしており、現在はサッカーサークルに所属している。200人近いサークルの会長をしていて、3年間朝8時からサッカーに打ち込んでいたため朝にはとても強い。最近の趣味は、美味しい町中華探しと隠れた居酒屋探し。
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執筆 オクトノット編集部

NTTデータの金融DXを考えるチームが、未来の金融を描く方々の想いや新規事業の企画に役立つ情報を発信。「金融が変われば、社会も変わる!」を合言葉に、金融サービスに携わるすべての人と共創する「リアルなメディア」を目指して、日々奮闘中です。

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