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8日間で金融の未来を描く
─ NTTデータビジネスデザイン室フォーサイト担当のインターンで学生たちが挑戦した、リアルな課題解決

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2025年9月、NTTデータのビジネスデザイン室フォーサイト担当にて、3名の学生が8日間のインターンシップに挑戦しました。テーマは「金融分野の課題を解決するための新規ビジネス創発」。
大人が論理的に考える課題ではなく、学生たちが日常で感じるリアルな課題感を起点に生まれたのは、ポイント管理の常識を変える新サービスでした。ハイブリッド形式で実際の働き方を体験しながら、8日間で新規ビジネスを創り上げた学生たちの挑戦を追いました。

なぜビジネスデザイン室フォーサイト担当でインターンを実施したのか

金融イノベーション本部ビジネスデザイン室フォーサイト担当は、金融機関向けの新規ビジネス創発を担う部署です。最新技術の調査や銀行業界のトレンド分析、そして新たなビジネスモデルの構想など、日々、金融の未来を描く仕事に取り組んでいます。

今回のインターンを企画した背景には、「学生視点」を取り入れたいという強い思いがありました。業界経験が長い社員が考える課題は、どうしても論理的、構造的なものになりがちです。しかし、実際にサービスを利用するユーザー、特に次世代を担う若者たちが日常で感じている課題感こそが、本当に求められるイノベーションのヒントになるのではないか。そんな仮説のもと、8日間のインターンシッププログラムが始動しました。

また、ハイブリッド形式を採用したのは、フォーサイト担当の実際の働き方を体験してもらうためです。オンラインでの効率的なコラボレーションと、対面でのディスカッションやフィードバックの両方を組み合わせることで、リアルな業務環境を体感してもらうことを目指しました。

インターン8日間の流れ

Day1-2:金融業界とNTTデータを知る

インターン初日は、オリエンテーションからスタートしました。金融イノベーション本部フォーサイト担当の役割や、NTTデータが金融業界でどのような価値を提供しているのかについて、様々なプロフェッショナルからプレゼンテーションを受けました。
最新技術のトレンド、銀行が抱える課題、そしてデジタル化が進む金融サービスの現状など、学生たちにとっては初めて聞く専門用語も多かったと思いますが、真剣に聞くことができました。

この2日間で特徴的だったのは、新入社員から中堅、ベテランまで、様々な年代の社員と関わる機会が多くあったことです。多様な視点から金融業界とNTTデータのビジネスを理解してもらうことで、8日間の土台を築きました。
また、新規ビジネス創発の基礎講座も実施しましたが、あえて座学だけに終わらせず、「実際に考える中で基礎や手法も学んでいく」というスタイルを採用することで、理論と実践を行き来しながら学びを深めていくことができました。

Day 3-4:課題発見とアイデアの種まき

3日目からは、いよいよ本格的なアイデア創出フェーズに入ります。ここで学生たちに投げかけられたのは、こんな問いでした。
「あなたたちの生活の中で、金融サービスに関して困っていることは何ですか?」
学生たちはディスカッションを重ね、日常で感じている金融サービスの不便さや、「もっとこうだったらいいのに」という思いを言葉にしていきました。

ディスカッションを実施した際に出た、課題・アイデアメモ

そして、最終的に見えてきたのが、次のような課題でした。
・各サービスの独自ポイントを管理しきれない
・ポイントの有効期限が気づいたら過ぎてしまっている
・現金を下ろすのに手数料と時間がかかる
決済サービスやECサイト、飲食店予約アプリなど、様々なサービスでポイントが貯まるものの、それぞれバラバラに管理されているため、「どこにどれだけあるのか分からない」「少額のポイントは放置してしまう」「使い忘れて失効させてしまう」。

特に印象的だったのは、「お金がないので、学生は少しのポイントでも全て使いたい」という課題感です。大人のビジネスパーソンにとっては数百円のポイントは些細なものかもしれませんが、学生にとっては貴重な資産。この視点は、まさに「学生ならでは」のリアルな課題でした。
インターン生同士で話し合いながら、それぞれの得意分野で引っ張り合う形でグループワークが進んでいきます。

Day 5-6:アイデアのブラッシュアップと検証

課題が見えてきたら、次はソリューションの具体化です。ビジネスモデルキャンバスをはじめとする様々なフレームワークを伝え、学生たちに自由に活用してもらいました。
そして生まれたのが、「ポイント集約・管理アプリ」というサービスコンセプトです。

このサービスは、ネット銀行アプリの新機能として提供されるという設定で、主に3つの機能を持ちます。
1.    デビットカード決済 - タッチ決済機能を搭載し、預金残高もすぐに確認できる
2.    ポイント残高確認 - 円グラフで各ポイントサービスの利用割合を一目で把握
3.    ポイント換金 - 複数のポイントサービスから銀行口座に直接換金

さらに、カレンダー機能を使った期限管理も提案。有効期限があるポイントを一目で管理できる仕組みです。
「このアイデアは、誰のどんな課題を解決するのか?」 「ビジネスとして成立するのか?」 「NTTデータならではの強みをどう活かせるのか?」
様々な社員からのフィードバックを受けながら、アイデアは徐々に磨かれていきます。学生たちは、ペルソナを設定し、ビジネスモデルを構築し、収益構造を考え抜きました。

本サービスにおけるペルソナ

本サービスにおけるビジネスモデル図

Day 7:プレゼン準備とリハーサル

最終日の発表に向けて、プレゼンテーション資料の作成に入ります。どうすれば8日間で考えたアイデアを、限られた時間で伝えられるのか。ストーリーの組み立て方、スライドのデザイン、話す順番など、細部までこだわりながら、発表の準備が進みました。

Day 8:最終プレゼンテーション

いよいよ最終日。人事部の担当者を前に、フォーサイト担当のインターン生として、グループ発表を行いました。8日間の集大成として提案したのは、ポイント集約・管理アプリです。学生たちが日常で感じていたリアルな課題を起点としたビジネスアイデアでした。

また、プレゼンテーション後には、8日間にわたるインターン全体の振り返りを実施しました。上手くできたことと反省点を簡潔にまとめた上で述べ、社員にフィードバックをもらうことで、より自分自身の得意・不得意など、解像度を高めることができました。

法規制という壁―リアルなビジネスを考える難しさ

今回考えたアイデアはポイント集約・管理アプリでしたが、インターン生たち自身も最終プレゼンで以下の課題点を挙げています。
•    ポイント提供者の競合サービス参入の可能性:既存のポイント提供者が同様のサービスを立ち上げる競合リスク
•    ポイント提供者に対する収益構造の不透明さ:本当に利益を得られるのかを明確にする必要性
•    換金機能を持つことで「資金移動業」などの金融関連規制に抵触する可能性

特に、最後の法規制の問題は大きなハードルです。ポイント集約・換金アプリを作る場合、「資金決済法」の規制対象となる可能性が高いのです。インターン生たちはこの法規制の存在を知り、「ビジネスアイデアは面白くても、実現にはハードルがある」というリアルなビジネスの難しさに直面しました。しかし、この気づきこそが、8日間のインターンで得た大きな学びの一つだったかと思います。

8日間のインターンを終えて─ インターン生たちが得たもの、ビジネスデザイン室フォーサイト担当が得たもの

インターンを通じて、学生たちは新規ビジネス創発の手法を学び、NTTデータという企業の理解を深めました。そして何より、「自分たちの視点に価値がある」という自信を得たと思います。
ペルソナ設定、課題仮説、ソリューション設計、ビジネスモデル構築、収益構造の検討、市場規模の試算、展開戦略、そして課題の洗い出し。これらすべてのプロセスを8日間で経験し、一つのビジネスプランとして形にしたことは、学生たちにとって大きな財産となったはずです。

一方、ビジネスデザイン室フォーサイト担当にとっても大きな収穫がありました。それは、理論や市場分析では見えてこない「学生視点のリアルな課題感」に触れることができた点です。
 「お金がないので、少しのポイントでも全て使いたい」
 「友達と割り勘したいとき、ポイント送金したい」
 「家族の使い切れないポイントを譲ってもらいたい」
こうした学生ならではの課題感は、市場調査のレポートには出てこないリアルな声です。ポイント集約アプリのアイデアは、法規制というハードルはあるものの、確実にニーズが存在する課題を捉えていました。

新規ビジネスを創発する上で、最も重要なのは「誰のどんな課題を解決するのか」です。その原点に立ち返らせてくれたのが、今回のインターンだったといえます。
学生たちにとっても、ビジネスデザイン室フォーサイト担当にとっても、互いに学び合う貴重な8日間となりました。

金融×デジタルを切り口として、メタバースをはじめとしたさまざまな技術やビジネスの動向を研究し“Foresight”として発信するForesight担当に所属。上流コンサルからビジネス創出、そして成果の社内外情報発信まで一気通貫で取り組んでいる。

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