※この記事は2025年2月25日現在のFIN/SUM2025のサイトにあるプログラムに基づき作成しています。
FIN/SUM2025はシンポジウムとワークショップの2種類のセッションがあります。最新のセッションの状況は、FINTECH SUMMIT2025のサイトでご確認ください。
FIN/SUM2025はシンポジウムとワークショップの2種類のセッションがあります。最新のセッションの状況は、FINTECH SUMMIT2025のサイトでご確認ください。
FIN/SUM2025
FIN/SUM2025は「“真のマネタイズ” に挑む、次世代フィンテック」というコンセプトを掲げ開催されます。フィンテックは短期的な収益化だけでなく、長期的で持続的な収益化の重要性が指摘されています。さまざまなテーマで、「経済成長の加速」、「新たな産業の創出」、「国際競争力の強化」といった未来について議論されます。オクトノットでは、こうしたセッションのなかから、生成AI、量子コンピュータ、サプライチェーン・ファイナンスについてのセッションに注目します。これらのテーマについては、これまでオクトノットで取り上げたものもあるので、そちらの記事についても紹介します。
生成AIに関連するセッション
2010年代から始まった深層学習を起点としたAIの金融への活用は、2022年11月の生成AIの登場に伴い新たなステージへと変化しています。金融機関での生成AIの活用は、当初、生成AIへの個人情報や顧客情報、保持する機密情報の流出が懸念され、使用を見合わせることになりました。Microsoft がAzureのサービスとしてOpenAIの生成AIの提供を開始した2023年4月以降は大手金融機関が生成AIの利用を発表しています。3月4日の「パネル 3メガフィナンシャルグループと語る、生成AIを含むAIの現在地と今後の展望」では、大手金融機関の生成AIの利用状況と今後の展望について議論されるようです。
3月5日には、「金融庁パネル Human in the loopの先へ:AI時代における人とAIとの最適なバランスとは?」のセッションが開催されます。生成AIはその特性から必ずしも確実な回答を提供することはありません。生成AIを業務に活用する際には、最終的なアウトプットとするいずれかの段階で人間の判断が必要な場合が多いです。このセッションでは、「Human in the loop」という概念に基づいて、AIが行う自動化と人間の介入のバランスについての議論がされると思います。
量子コンピュータに関するセッション
近ごろ、特化したチップの開発が相次いで発表されるなどの動きも多く、量子コンピュータの実現が近づきつつあります。既存のコンピュータに比べ圧倒的な処理性能を持ち、社会や経済を大きく変えると言われています。この性能により、現在利用されているデータ暗号化技術が脅威にさらされる可能性も指摘されています。3月5日に開催される「パネル 量子コンピュータによるサイバーセキュリティ脅威の到来」では、量子コンピュータによるハッキングの脅威を正しく認識し、対応計画の策定や実行を意識していただくためのセッションと紹介されています。3月6日の「CB-Techの最前線 7th GIG: デジタル化・生成AI・耐量子計算機暗号」は日本銀行の最新のリサーチ成果を紹介するセッションです。このセッションのなかで、金融分野における耐量子計算機暗号への移行に向けた検討動向が紹介されます。
サプライチェーン・ファイナンスに関するセッション
商品を顧客に提供するまでの調達、生産、在庫管理、物流、販売までの一連の流れであるサプライチェーンの情報を活かした資金調達方法がサプライチェーン・ファイナンスです。サプライチェーン・ファイナンスは、大企業のすなわち発注者側の資金繰りの解決方法として登場しました。大企業の資金繰りは安定し、近年のサプライチェーン・ファイナンスには受注者である中小企業の資金繰りを支えることが求められています。3月7日の「パネル サプライチェーン・ファイナンスのパラダイムシフト」では2025年の国会での法案提出が予定される下請法の制度改革を機に企画されたシンポジウムです。発注者から受注者の資金繰り支援にパラダイムシフトするサプライチェーン・ファイナンスの動向が議論されるそうです。
終わりに
3月4日から7日の4日間、開催されるFIN/SUM2025でのセッションのなかから、オクトノット編集部の視点でピックアップしたものを紹介しました。このほかにも、AIエージェント、セキュリティ、Web3などのセッションも多数あります。最新のフィンテックの動向を把握するために有用なイベントです。現地での聴講のほか、来場のできないアーカイブ視聴のチケットも用意されています。ご参加なさってはいかがでしょうか?