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クロスボーダー決済の現状と課題
~新サービスや国際的な取り組み~

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グローバル化が加速する現代社会において、国境を越えた資金移動、つまりクロスボーダー決済は、ビジネスや個人の生活において欠かせないものとなっています。しかし、従来の国際送金は、高額な手数料、着金までのスピード、限定的なアクセス、送金状況が確認できないなど、多くの課題を抱え、個人だけでなく、企業の成長を阻害する要因にもなっていました。
しかし、フィンテックを始めとした新サービスの台頭や国際的な連携が行われる中、このような課題が解決されつつあります。本記事では、従来の仕組みでの課題と課題解決に向けて動いている事例について紹介します。

クロスボーダー決済の現状と課題

従来の国際送金の流れと課題について

国際送金において、Swiftネットワークは長年重要な役割を担ってきました。しかし、その仕組みを理解することで、従来の国際送金が抱えていた課題が見えてきます。

Swift(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)とは、1973年に設立された世界中の銀行をつなぐ国際的な金融機関間通信ネットワークです。 銀行はSwiftを通じて、送金指示などのメッセージを安全に交換します。しかし、Swift自体は送金を実行するシステムではありません。

では、実際に資金がどのように移動するのでしょうか? Swiftを用いた送金のうち70%以上には、送金元銀行と受取銀行の間に、コルレスと呼ばれる中継の仕組みが介在します。

コルレスとは何か?
コルレスとは、異なる銀行が相手の銀行に自行の口座を開設し、その口座の増減で貸し借りを清算する仕組みを指します。国際送金では通常の国内送金と異なり、中央銀行の決済システムやACHといった決済の清算を行う仕組みが存在しなかったので、国際送金では伝統的にこのコルレスが活用されてきました。

古くから国際的な為替を扱ってきた銀行は、多くの国にこのコルレスを展開し、各国で銀行免許を取得してその国の決済システムにも参加してネットワークを強化することで、中継銀行の役割を果たすようになります。そうするとコルレス契約を持たない銀行でも、この中継銀行を仲介することで国際送金が可能になり、いまでは中継銀行を使うことの方が多いでしょう。
例えば、日本の銀行Aがアメリカの銀行Dに送金する場合、銀行A(送金元)は、コルレス関係を持つ中継銀行Bに送金指示を送信します。中継銀行Bは、銀行D(受取先)とコルレス関係を持つ中継銀行Cに送金指示を転送し、最終的に中継銀行Cが銀行D(受取先)に資金を振り込みます。
銀行A(送金元) → 中継銀行B → 中継銀行C → 銀行D (受取先)
このように、複数の銀行が関わるため、従来の国際送金は時間がかかり、手数料が高額になりがちでした。

なぜ手数料が高額になるのか?もうお分かりでしょう。
この仕組みでは、関わる銀行のすべてがそれぞれ手数料を徴収します。つまり、送金元では送金手数料、コルレス銀行ではコルレス手数料、そして受取先では受取手数料が発生し、合計コストが高くなる傾向があります。
また、なぜ時間がかかるのかその理由も見えてきます。
Swiftは、銀行間のメッセージ伝達を効率化するだけで、資金の移動・清算は、それぞれの銀行のシステムを通じて行われます。このプロセスには、複数の銀行のシステムをまたがるため、多くの時間がかかります。

さらに、各銀行は、送金に関する法令順守の確認(外為法、AML/CFT規制など)を行う必要があり、これは国内送金と比較して、処理時間を大幅に増加させる要因となります。 2行間だけの送金であっても、両国の法令確認が必要なため、単純に国内送金の2倍以上の時間がかかります。3行間以上になると、さらに時間がかかります。異なる国の決済システムを複数回通過する必要があるケースもあるからです。
このプロセスには、複数の銀行が関わるため、どうしても時間とコストがかかってしまうのが課題でした。さらに、送金進捗状況の可視化が難しいため、いつ届くのか、どの段階にあるのか、把握するのに時間がかかるという問題もありました。

G20が定める目標と現状について

FSB(Financial Stability Board,金融安定理事会)は、クロスボーダー決済の課題克服を重要な課題として認識し、2020年に「クロスボーダー決済強化ロードマップ」を発表しました。このロードマップでは、低コスト化、高速化、アクセス向上、透明性の向上という4つの課題を掲げ、具体的な行動計画を策定しています。そして2021年10月、ロードマップの第一段階として、クロスボーダー決済における4つの課題と、2027年末(一部は2030年末)までに達成すべき目標が設定されました。

1. コスト
現在、国際送金にかかる費用は、送金方法や送金先によって大きく異なります。銀行間の手数料、為替手数料、仲介手数料など、さまざまなコストが積み重なり、特に個人や中小企業にとって大きな負担となっています。
G20は、2030年末までに、200ドルの送金にかかる世界平均の送金コストを3%以下にするという目標を掲げています。現状、送金にかかるコストは世界平均で6.38%のため、半分以上の削減を計画しています。また同時に、 5%を超える送金経路を存在させないことも目標に掲げています。

2. スピード

従来の銀行間送金では、処理に数日かかることも珍しくありませんでした。特に、途上国への送金では、数週間かかる場合も少なくありません。G20は、2027年末までに、クロスボーダー決済の75%が決済開始から1時間以内に完了するよう、目標を設定しています。残りの25%についても、1営業日以内に完了することを目指しています。

3. アクセス

クロスボーダー決済のサービスは、国や地域によって、その利用可能性が大きく異なります。特に、途上国や金融サービスへのアクセスが制限されている地域では、送金手段が限られている場合があります。G20は、2027年末までに、すべての金融機関が少なくとも1つのクロスボーダー決済の選択肢を持ち、すべてのエンドユーザー(個人、企業、銀行)が少なくとも1つの選択肢を持つことを目標としています。また、銀行口座を持たない人々を含め、送金を希望する人の90%以上が、クロスボーダー決済の手段にアクセスできることを目指しています。

4. 透明性

従来の国際送金では、手数料や為替レートが不明瞭な場合や、送金状況が追跡できない場合もありました。G20は、2027年末までに、すべての決済サービス事業者が、送金者と受取人に以下の情報を提供することを目指しています。
·    取引費用総額(手数料、為替レート、通貨交換手数料など)
·    資金交付までの想定時間
·    支払状況の追跡
·    利用規約
G20は、これらの目標達成に向けて、国際的な連携を強化し、政策の協調を進めています。金融安定理事会 (FSB) や決済市場インフラ委員会 (CPMI) などの国際機関が、各国の政府や金融機関と協力し、具体的な行動計画を実行しています。FSBによる定期的な進捗報告において、多くの国・地域におけるISO20022への移行およびFPS(Fast Payment Systems)相互接続の進展が確認され、クロスボーダー決済の透明性向上に寄与していることが示されています。

しかしながら、コスト削減と送金速度向上に関する目標達成には依然として課題があり、一部の地域では目標達成に近づいているものの、特に途上国において遅れが目立っています。今後、ロードマップに定められた目標達成に向けては、技術支援の拡充と官民セクターの連携強化が不可欠であることが示されています。今後、G20の取り組みがどのように展開していくのか、注目が必要です。

新サービスの台頭

Swift GPIの仕組みと利用者が得られるメリットについて

国際送金において、Swiftネットワークは長年基盤的な役割を担ってきました。しかし、従来の国際送金は、複数金融機関が関与する複雑なプロセス、手数料の高騰、送金状況の非可視化といった課題を抱えていました。

これらの課題に対し、Swiftは2017年にSwift GPI(Global Payments Innovation)を導入しました。Swift GPIの大きな革新は、送金プロセスのルール明確化と標準化、そしてエンドツーエンドの追跡を可能にするトラッキング番号、UETR(Unique End-to-end Transaction Reference)の導入です。

従来、各金融機関が独自のプロセスで処理を行うため、誤りや遅延が発生しやすかった国際送金において、GPIは明確なルールと標準化されたプロセスを導入することで、エラーを大幅に削減しました。これにより、正常な送金であれば、数日待つ必要はなく、多くの場合1営業日以内に完了するようになりました。 数日~数週間かかっていたのは、正にこれらのエラーや手続き上の遅延が原因だったのです。

さらに、UETRによるリアルタイム追跡機能は、送金状況の可視化を実現しました。送金者は、いつ、どこで、どのような状態になっているのかを常に確認できるため、安心感が増し、ビジネスにおける迅速な意思決定にも役立ちます。
この透明性向上は、規制遵守の面でも大きな役割を果たしています。例えば、送金先の法人の存在確認や、反社会的勢力との関連性の確認において、LEI(Legal Entity Identifier)といった識別子の活用により、迅速かつ正確な確認が可能となり、送金処理のスピードアップに貢献しています。一部の国では、政府への送金報告義務においてLEIが必須となっているケースもあります。

Swift GPI は、既に国際送金において主流となりつつあり、2023年12月時点で、Swiftを用いた取引の約8割を占めています。企業や個人の双方にとって、よりスムーズで効率的な資金移動を実現する上で、Swift GPI は重要な役割を果たしています。

Wiseの仕組みと利用者が得られるメリットについて

従来の国際送金は、銀行が仲介役となり、複雑な手続きと高額な手数料がかかるのが当たり前でした。さらに、処理時間も長く、数日~数週間かかることも珍しくありませんでした。為替レートも透明性が低く、不透明な手数料が上乗せされているケースもありました。 このような状況は個人にとっても、海外取引を行う企業にとっても大きな負担でした。

そんな悩みを解決するべく台頭した新サービスが、国際送金サービス「Wise」です。Wiseは、従来の銀行送金とは全く異なるビジネスモデルで、世界中の人々に低価格で安全な送金サービスを提供しています。
Wiseは、コルレスを使った外国送金の代わりに、複数の国内送金を活用することで外国送金をより安く、よりシンプルなものにしています。

具体的には、Wiseは世界中に持つ自社の銀行口座を利用して、送金人が自分の口座から自国にあるWise口座に入金すると、Wiseが同額を受取人の国の自社口座から受取人の口座へ振り込みます。

例)送金人の日本のA銀行口座 → 日本におけるWise口座 → アメリカにおけるWise口座 → 受取人のアメリカのB銀行口座

この仕組みでは、複数の国内送金(送金人からWiseへ、Wiseから受取人へ)が行われているだけなのです。つまり、実際に国境をまたぐ部分は、Wiseのいわば行内振替でよいため、銀行の外国送金の煩雑な仕組みよりも、より早くまた安く送金できる可能性が高いのです。では、Wiseを利用するメリットは具体的にどんなところでしょうか?

まず、手数料が安いという点です。銀行送金と比べて、大幅に手数料を抑えることができます。これは、Wiseが独自のネットワークとリアルタイムの為替レートを活用することで、仲介業者を減らし、手数料を削減しているからです。

次に、送金スピードが速いという点も魅力です。従来の銀行送金では、数週間かかる場合もありましたが、Wiseでは、多くの場合20秒以内に送金が完了します。これは、Wiseが独自のシステムとネットワークを活用することで、迅速な処理を実現しているからです。

さらに、Wiseは透明性が高いことも特徴です。リアルタイムの為替レートで、手数料も明確に表示されるので、送金時にコストがいくらかかるのか事前に確認することができます。また、送金状況もリアルタイムで確認できるため、安心して送金できます。

Wiseは、日本でワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社として資金移動事業者として登録されているので、金融庁に安全性も監督されています。

Wiseは、個人だけでなく、企業にとっても魅力的なサービスです。海外取引先への支払い、海外従業員への給与支払いなど、さまざまな場面で活用できます。下記サイトでは具体的にWiseと他フィンテック企業および銀行との手数料比較がされています。気になる方はご参照ください。

国際的な連携の動向

Project Nexusの概要と目指す姿について

国際決済銀行(BIS:Bank for International Settlements)イノベーション・ハブが推進するProject Nexusは、世界中の即時決済システム(IPS:Instant Payment System)を相互接続し、国境を越えた決済を劇的に改善することを目指す画期的な取り組みです。現在、70カ国以上で導入されているIPSは、国内送金を数秒で、手数料ほぼゼロで実現しています。Project Nexusはこの成功を基盤に、国境を越えた決済にも同様のスピードと効率性をもたらそうとしています。

Project Nexusの目標は、国境を越えた即時決済を世界規模で実現することです。これにより、企業はグローバルなサプライチェーンをより効率的に管理し、個人は海外にいる家族や友人への送金を迅速かつ低コストで行うことができます。 具体的には、以下の3点を改善することを目指しています。
•    スピード : 送金時間を大幅に短縮し、リアルタイムに近い決済を実現します。現在、多くの国境を越えた送金には数日かかりますが、Nexusでは、ほとんどの場合60秒以内での送金を目指しています。
•    コスト : 手数料を大幅に削減します。IPSが既に国内送金において手数料をほぼゼロにしていることを踏まえ、国境を越えた送金でも低コスト化を目指しています。
•    透明性 : 送金状況をリアルタイムで追跡可能にし、送金プロセス全体を可視化します。これにより、送金者と受取人双方の不安を解消し、信頼性を高めます。
Project Nexusの革新的な点は、IPS間の接続を標準化することにあります。従来、異なる国のIPSを接続するには、個別に対応する必要があり、時間とコストがかかっていました。Project Nexusは、多国間接続というアプローチを採用することで、この問題を解決します。各IPSは、Project Nexusプラットフォームへの単一の接続を作成するだけで、ネットワーク上の他のすべてのIPSにアクセスできるようになります。
Project Nexusでは、既にインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの5カ国の中央銀行と協力して実用化に向けた取り組みを進めており、2024年7月には実運用に向けた取り組みが表明されました。このタイミングでインドも参加を決定し、実証実験を行ったユーロシステムも特別オブザーバとして、Nexusへの接続を検討することが公表されています。将来的には、世界中の多くの国と地域にNexusのネットワークを拡大し、グローバルな即時決済を実現することを目指しています。
Project Nexusは、既存のIPSを巧みに活用することで、国境を越えた決済における大きな課題を解決する可能性を秘めています。その実現により、グローバル経済の活性化、金融包摂の促進、そして人々の生活の向上に大きく貢献することが期待されます。

Project Agoraについての概要と目指す姿について

Project AgoraはProject Nexus同様、国際決済銀行(BIS)が主導する取り組みです。このプロジェクトは、革新的な技術を活用し、国際送金のあり方を根本から変革しようとする試みであり、アゴラとはギリシャ語で「市場」を意味し、その名のとおり、より効率的で透明性の高い国際金融市場の創造を目指しています。
このプロジェクトには、世界を代表する主要中央銀行7行と、国際金融協会(IIF)が招集した40社を超える民間金融機関が参加しています。中央銀行は、フランス銀行(ユーロシステムを代表)、日本銀行、韓国銀行、メキシコ銀行、スイス国立銀行、イングランド銀行、そしてニューヨーク連邦準備銀行が参画しています。民間セクターからは、商業銀行、決済サービスプロバイダー、金融市場インフラ企業など、多様な企業が参加し、それぞれの専門性を活かした協力体制が構築されています。
Project Agoraの中核となるのは、「統合台帳(Unified Ledger)の構築」、「トークン化」と「スマートコントラクト」の活用、です。従来の国際送金の課題を解決すべく、統合台帳を基盤とした革新的なソリューションを目指しています。

従来の金融システムでは、資金や資産は、銀行や決済システムごとに分散された独自の台帳に記録されています。このサイロ化されたシステムでは、情報共有や取引処理に多くの時間とコストがかかってしまいます。

BISが提唱する統合台帳とは、これらの分散した台帳を単一のプラットフォームに統合することで、これらの課題を解決しようとするものです。この統合プラットフォーム上では、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、トークン化された預金、そしてさまざまな金融・実物資産のデジタルトークンが共存し、スマートコントラクトによって取引が自動化されます。それにより、以下のような効果が期待されています。
•    スピード : リアルタイムに近い決済処理を実現し、送金時間を大幅に短縮します。
•    コスト : 仲介機関を削減することで、手数料の大幅な低減を目指します。
•    透明性 : 統合台帳に記録された取引履歴は、一元的に管理され、追跡可能性を高め、不正行為の抑制につながります。
•    安全性 : スマートコントラクトによる自動化と、厳格なアクセス管理により、不正行為のリスクを軽減します。
•    効率性 : 既存システムとの連携を強化し、業務プロセスの効率化を目指します。
Project Agoraは、単なる技術の実証実験にとどまらず、2025年末に最終報告書を公表することを目指し、将来的には新たな金融市場インフラの構築を目指しています。既存の対応銀行モデルを改善し、より効率的で安全なクロスボーダー決済システムの構築を目指しています。この統合台帳の導入は、クロスボーダー決済の未来を大きく変える可能性を秘めています。
Project Agoraは、2024年に開始された官民連携による大胆な試みとして、統合台帳を活用し、クロスボーダー決済の未来に大きな影響を与える可能性を秘めています。その実現には、技術開発のみならず、法規制の整備や国際的な協力など、多くの課題を克服する必要がありますが、成功すれば、グローバル経済の活性化に大きく貢献することが期待されています。

クロスボーダー決済の進化と未来への展望

本稿では、クロスボーダー決済を取り巻く現状と、その課題解決に向けた最新の取り組みについて解説しました。

長年、国際送金はSwiftネットワークとコルレス銀行を介した確立されたシステムによって支えられてきました。このシステムは、世界規模の資金移動を可能にする重要な役割を果たしてきましたが、近年の技術革新や市場ニーズの高まりを受け、その仕組みと運用における課題が顕在化してきました。Swiftは、GPIの導入によって送金追跡機能や標準化を進めるなど、システムの改善に努めていますが、依然として更なる効率化へのニーズが高まっています。

近年では、ブロックチェーン技術やWiseなどの革新的なサービスが登場し、クロスボーダー決済の新たな可能性を切り開いています。さらに、各国当局も決済システムの抜本的な改革に着手しており、Project NexusやProject Agoraといった画期的な取り組みが、より迅速で低コスト、そして透明性の高い国際送金システムの構築に向けて進められています。これらのイノベーションは、グローバル経済の活性化に大きく貢献する潜在力を秘めており、今後の展開に大きな期待が寄せられています。

2023年NTTデータ新卒入社。
現在はコンサルタントとして主に金融機関を顧客に持ち、新規ビジネス創出や顧客課題解決支援などを行っている。

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