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企画に効く!一歩抜け出す金融人材になる方法 (前編)

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2021/10/15日本金融通信社(ニッキン)が主催する金融機関のためのITフェア「FIT2021」にて、オクトノット初のリアルイベントとなるセミナーを実施しました。 『マネーフォワード ME』といったお金の見える化サービスなどでおなじみのマネーフォワードの執行役員 瀧俊雄さんと、NTTデータで金融領域のデジタルビジネスを推進する山本英生さんによる対談の内容を全編公開! 金融サービスの調査、企画に役立つ内容となっております。ぜひご一読ください。

オープニング

宮本:本日は一歩抜け出す金融人材になる方法と題しました講演にご来場いただきありがとうございます。
私、進行を務めさせていただきます宮本と申します。よろしくお願いいたします。
本セミナーのテーマは、企画に効く情報の集め方、発想法です。情報収集であったりコンテンツの考え方であったり、メディアの活用も含めたところになります。本日は、株式会社マネーフォワード及びマネーフォワードFintech研究所の所長でいらっしゃいます、瀧様をお迎えいたしまして、メディアの中の人という目線も踏まえて、お題について対談形式でお話させて頂きます。よろしくお願いします。
最初に登壇者紹介ということで、まずは株式会社マネーフォワード瀧様、簡単に自己紹介をよろしくお願いします。

瀧:本日はよろしくお願いします。私はFintechの人みたいにこの5年間振る舞っていますが、元々は野村證券で制度や海外のビジネスモデルとかを調べていた人間です。なので実は金融全般に関するリサーチャーだったところからきています。
マネーフォワードを創業してからはベンチャー起業者らしく朝から晩まで働いていたんですけど、だんだん得意なことに特化して調査や提言をする世界に戻ってきました。今日は惜しげなくお話ししますのでぜひよろしくお願いします。

宮本:ありがとうございます。続きまして、NTTデータから山本英生が登壇させていただきます。自己紹介をお願いします。

山本:NTTデータの山本でございます。私は入社以来20数年のキャリアのなかで、最初はシステムの開発をずっとやっていたんですけれども、途中からいわゆる金融ITのコンサルに近い仕事をして、デジタルという言葉が出始めたころからデジタル戦略推進部というところに所属しまして、当社の金融分野におけるデジタルビジネスの戦略を考えたり、企画を考えたり、といったことをやっております。
当社のような企業がどういうことを考えながら情報発信をしているのか、企画を作っているのか。こういったことがお話しできれば良いかなと思っております。よろしくお願いします。

目のつけどころ

宮本:ありがとうございます。それでは、早速中身にはいっていきたいと思います。最初のテーマは情報収集と企画の方法になります。
瀧様は「マネーフォワード Fintech研究所」のブログのオーナーでいらっしゃいます。
山本はNTTデータが今年始めましたオクトノットというメディアに責任者の立場で携わっております。
メディアの中の人間からみた情報収集のやり方であったり、企画にどう繋げるかといった観点でまずはお話しをいただきたいと思います。
新しい情報や世の中の動向について、どういったものに目をつけてらっしゃるか?その観点も含めてお話しをいただきたいと思います。最近ご注目されていることについて最初に瀧様からご紹介いただけると幸いです。

瀧:最初からちゃぶ台を返すと、今騒がれているものって、大体は数年前から仕込んでるものが多いんですよね。今話題のBNPLなんてまさにそれです。大型買収が騒がれている中で検討するのはだいぶ遅くって、これらは創業から見れば4、5年遅れのアイディアなんです。
海外のニュースを見て日本に直訳しようとするマインドで世の中は考えがちかもしれません。しかし、マネーフォワード自体も創業期、海外にあった自動家計簿を直訳しようとして、これはないなと考え直したことがあったので、やっぱりもうちょっと超訳というか、文脈を含めてどのようなセグメントにどんな付加価値を訴求するのかというところまで高めないといけなかったりします。
BNPLにはいろんな側面がありますが、出発点はカードを作れない人がECで買い物をしたいという話なんですよね。そういうところに注目して、別にBNPLじゃなくて、クレジットカード会社さんがひょっとするとビジネスにできるもののほうが良いかもしれないわけなんです。
なので、もうちょっと視点を変えるとZ世代がターゲットになってくる。クレジットレコードがない人たちは、見方を変えれば将来の重要な消費者像でもあるわけです。どの金融機関もZ世代攻略法を求めていますよね。だからこそ、この分野に関わることが大事だと、私は思っています。

山本:確かにそれはおっしゃる通りだなと。そういう風に仕込んでいるという観点で大分時間がたって、過去にいろいろ仕込んだけど当たらなかったというものもある、とそういう話かなと。

二つ申上げますが、一つは私デジタルというところに責任を与えられておりますけども、デジタルを語りながら進んでいくということ自体は変わらないと思いますし、より普及していくという過程はこれから続いていくんだと思いますけども、目新しいものとしてのデジタルはそろそろ賞味期限も近いのかなと。そういうところもわかりつつ、一方でビジネスとしてデジタルを考える、こういう風な状態なのかなと考えております。

二つめは、さきほど5年前に仕込んだというところを私なりの理解で言うと、歴史が繰り返してるっていうパターンが結構多いのかなと思っております。私が20数年前にIT業界に入ったころ、Sun Microsystemsの偉い人が世界に“コンピュータ”は5つあれば足りるとそういう風に言っていた時代もあったわけです。環境が整えば、コンピュータ資源は数個のグリッドシステムに集約されるという未来予想ですね。そんなことねーよな、クラサバだよね、と言ってたんですけど、クラウドも見方を変えるとAmazonとAzureとGoogleの3つぐらいになってきたりしています。似たようなことは多々あるのかなと思っています。

未来の話でいうと、NTT研究所で謎な研究テーマがたくさんあるんです。一例をあげると、雷対策に避雷針を立ててますけど、避雷針があってもそこに雷が落ちなかった場合には人的被害が出たりします。だったら雷のほうにドローンとかで突っ込んでいって、避雷させてしまえばいいじゃないか。なんなら電気もくるので蓄電まで使えないか? みたいなことを考えています。実際にやろうとしてるのは、雷が落ちてきても墜落しないドローンを作ろうとしています。いろいろと考えるものですよね。

瀧:サンダラが作れるわけですね。

山本:おっしゃるとおりです(笑) これほんとにものになるの?って話はおいておいて。
こういう未来を構想する部分と、でも過去にみたパターンならその意義は?という意訳をしていく部分。その両方をやっていくということなのかなと思っております。目のつけどころでいうとまずはそんな話かなと。

宮本:はい、ありがとうございます。お二人のお話しを総合すると、個別のプロダクトなど、目の前にある課題だけに囚われるのではなくて、もうちょっと起きてる事象や人の行動様式をみながら、目のつけどころを考えていくべきだという風に理解をいたしました。

ちなみにZ世代というお話しがありましたが、Z世代についてお考えになる際に具体的にやってらっしゃることはございますか。

瀧:Z世代の解像度を高める、っていうんですけど、やるべきことは、新しいサービスをちゃんと調べるという意味において同じなんですよね。アメリカのTechCrunchが提供しているCrunchbaseを適切にまとめて理解していれば、専門家ぶれるんです。ここに来ている方には毎月25ドル払って利用してほしいです。こうした作業で自慢する人をなくしたいので、コモディティ化させたいと思っています。
Crunchbaseで新しく調達した会社を特定のテーマで括ってみて、なぜ利用者はこれを使うのかとか、この人たちは金払わないって言われている層に投資しているのかとか、そうした妄想を高めるんだと思うんですよね。
私も40代になったので、Z世代を理解しようとしても違和感がありますよね。そうであればすでに成り立ってるビジネスを体系的に理解するしかないな、と思います。
TikTokやSnapchatとかが、TwitterやFacebookよりも興味の対象ドメインになりつつあります、っていうのも使わないとわからないし、なぜ使うのとか、ホントに使っているの?とか含めて調べるしかないんですよね。そういったサービスを調べる、その裏側にいる人たちを想像する、という意味では、やっていることは同じかなと思っています。

山本:幸い当社は新入社員が毎年入ってきてくれるので、実際Tiktokどうなの?使ってるの?使ってないの?と折に触れて聞くのは身近なところではあるかなと。で、そういうの聞いておもしろがるよってアピールすることで、若者からも言ってもらえるようになります。瀧さんよりも年上で50間近なので(笑)、聞く姿勢をみせないとなかなか相手にしてもらえないかなと。

最近若者と話しをしてて思うのは、サービスのUI/UXみたいな、顧客体験みたいなところだけではなくって、サービスに対する共感まで含んでやっていかないとなかなかZ世代は食いついてこないのかなと。社会的な意義だったり、おもしろさだったり、何か本質的に共感するところまでいかないと、他の競合もたくさんあるので、エモさに訴えかけていかないとなかなか拾ってくれないのかなと。

一方で、彼らやっぱり賢いので、社会的な倫理みたいな話にすごく敏感だと思っています。金儲けだけすればいいよってわけではなく、グリーンに貢献するみたいなストーリーがないとなかなか共感してもらえないのかなっていう風に変わってきているような気がしています。

宮本:ありがとうございます。きちんと解像度をあげるために、飛び込んでいくことが必要なんですね。

どのように着想するのか?

目の付け所の解像度をあげるのが重要だというお話をいただきましたが、次のテーマはどのように着想していくかという点ですね。いきなりビジネスアイディアの着想の話までいかないかもしれませんが、こういうの面白いかも?といったアイディアはどのように考えてらっしゃるのでしょうか?
どんな時に着想するのか?普段はどのように考えているのかお伺いさせてください。

瀧:海外サービスを調べるじゃないですか。サービスについて、実は自分たちでピュアに思いつくものはあまりなくて、TTPと呼ばれますけど、徹底的にアイデアをコピーしてこそ理解できる感覚が、他の要素が組み合わさって使えるものになるとか。Fintechの重要な言葉で、モジュール化とかアンバンドリング化という言葉がありますけど、細かく切れば金融ってなんでも機能になるんですね。ただその機能を使えるチャンスがあるのが、すごく信用力がある人とか、認証を受けた人じゃないといけないといった要素がある。その組み合わせはおそらく自分で閃いてはいなくって、誰かがすでに試している、それを日本の状況に当てはめてみるという、そんな感覚が常々あるんですよね。

宮本:発想のプロセスも模倣であったり、組み合わせだっていうお話しですね。今のお話しを聞いて山本さんいかがですか?

山本:組み合わせるって意識的にやっていて、金融×なんとかってお題を面白がって考えてみて、周りになに言われるのかな? とか反応をみながらやってる部分もけっこうあるのかなと。

一例を申しますと、デジタルやってる人なのに、金融×アートについて書きました。これは邪な心があって、アートでなんかお金儲けできたら超楽しそうだなっていうところから色々情報発信していたら、たまたまニッキンさんの目に留まって、金融ジャーナルに記事を書いてくださいという話になったんです。こういうところから金融×アートの可能性が作れないか、進んでいく部分もあるのかなと思っています。

なので突拍子もないものを掛け算したらどうなるかというところと、それを恥ずかしがらずに外に出していったりすると、意外と面白い流れがくるのかなと。

瀧:ちょっと足してもいいですか。アートだとNFTがここ数ヶ月みんな「なんだこれ」って話題になっていて、知人の息子さんが夏休みの課題で描いたNFT作品がコレクターに購入されて何十万円も売り上げたとか、そんな話を追っかけてみんな悩んでるわけですよね。それで、新しいものはとりあえず買ってみるとか、合法の範囲であれば手を出してみるとかがプロセス上すごく重要だと思います。
最近、海外のオークションを触ってみたのですが、アートにビッドをすると入札価格の1/5をデポジットとしてくださいって言われるんですよ。だからいきなりクリスティーズのニューヨーク支店に、海外送金しないといけなくなるんです。
これ世界中からビッドする人がみんな2割くらいのお金を国際送金して、成り立たないとその金額が返ってくる。こういうのって金融で考えるとめちゃくちゃ無駄なんですよ。他に信用補完する方法があるはずですし。
NFTには、ファイルを自分にしか保有できないようにするという効用がある一方で、そのやりとりでは案外プリミティブなところにペインがあるんだなと思ったんです。

山本:今のお話しをうかがうと、私もキャリアの最初、信託銀行のシステム作ってたので、エスクローとか大好きなんですよ。わざわざSWIFT使って高い海外送金手数料とられるくらいだったら、日本に普通に信託設定をして、クリスティーズがいいよって状態を作れるんだったらもっと低コストでできそう。そこデジタルチャネルを作ってしまえば、人手をかけずに単にお金の出し入れだけでできそうなので、なんかおもしろそうな気がします。なるほど。クリスティーズは普段使ったことがないから気が付かないですね。

瀧:ちなみにクリスティーズですがクレジットカードでも払えます。いきなり数千万払えるカードが必要ではあるんですが(一同笑)
巷で話題のブラックカードとか持ってると、以前芸能人が戦車をそれで買ったって話がありましたけど、そのようなカードの存在理由が分かってくるんですよね。手を動かすとわかるっていうのはそのあたりかなって。

山本:手を動かさないにしても、変わったことをしてそうな人と話すのってやっぱ大事ですね(笑)

宮本:おふたりが次にやってみたいことはありますか?

瀧:NFTを語るには、自分でやってみることが大事かなと思っています。あるNFTを買うとサロンに入る権利がついてきたりする。一部だけでも買ってみないと分からないのですが、なかなかそこまで手が出せておらず、取り残されてしまっています(笑)

山本:最近NFTは出す側の方が面白いのではないか?というアイディアを話していました。出し方によっては銀行のマーケティングにつかえるのではないかと。広告の一環で投信を買ってくれたら、シリアルナンバーのついた銀行の独自のキャラクターのNFTを差し上げます、なんて作ってみると意外とうれるのではないか?と。

瀧:金融って手触りがないので、形のあるものがあると嬉しいですよね。現代は超低金利なので、他の方法で還元しても悪さはしないですよね。

山本:レアキャラになって値があがったりしたら、次にはそれがインセンティブにになって売れるかもしれない。試してみるのは比較的コストがかからずよいのではないと思っています。

山本:他には宇宙について妄想レベルでぐるぐるといろんなことを考えてみています。人工衛星を打ち上げるコストも今はどんどん下がってきています。人工衛星画像を使った融資や投資は既に行われていますが、人口衛星を銀行がもったら次はどんなことができるだろうと考えてみても面白いですね。

宮本:なるほど、NFTや宇宙といったことに早めに取り組んでみるのは大事ですね。
(後編につづく Coming Soon...)
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執筆 オクトノット編集部

NTTデータの金融DXを考えるチームが、未来の金融を描く方々の想いや新規事業の企画に役立つ情報を発信。「金融が変われば、社会も変わる!」を合言葉に、金融サービスに携わるすべての人と共創する「リアルなメディア」を目指して、日々奮闘中です。

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