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顧客のID管理の悩みに挑む!実践から学ぶ解決へのヒント ~某自動車メーカーの事例~

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顧客ID統合難しいですよね?私たちも日々悩んでいます。そんな中、バラバラに付与された顧客IDのせいで顧客情報を生かせていない状況を打破すべく某自動車メーカーさんと顧客IDの一元化に向けてチャレンジしてみましたので、そこで得た学びをご紹介したいと思います!

顧客ID統合における問題

単一の企業であっても複数の業務システムでお客様のID(顧客ID)を個別に管理していることがあります。こうした場合の顧客ID統合のプロジェクトは、しみじみ難しいです。1つの理由として、顧客IDは業務にもシステムにも基盤にも密接に結びつき、部分的な改善では効果を得にくいことが挙げられます。 うまくいかずに終わってしまったプロジェクトはいくつもあることでしょう。 今回取り上げる某自動車メーカー(以下、A社)でも、顧客ID管理において以下のような問題を抱えておりました。
【問題①】 「販促」、「購入」、「購入後サポート」等のサービス毎に顧客IDがバラバラで、顧客情報のトレースと活用ができない
【問題②】 SSO(シングルサインオン)やソーシャルログイン連携ができないことから、顧客の利便性が低い
【問題③】 多要素認証ができないため、セキュリティレベルが低い
上記の例は、A社に限らず、多くの企業において、大なり小なり直面している問題ではないでしょうか。 A社は、大胆に顧客ID認証基盤/顧客情報管理基盤を再構築され、問題解決を実現しました。プロジェクト全体は、 「顧客接点領域デジタル化」というテーマで大規模に取り組まれており、クラウド基盤更改及び複数期に渡ったサービス開発を見事成功に導きました。
顧客ID統合が実現できる技術や製品は色々とありますが、ここでは『Auth0』という技術を用いて実現した顧客ID統合に焦点を絞り、実事例でご説明したいと思います。『Auth0』は、クラウドサービスやアプリを利用する際の認証認可プラットフォームサービスです。シングルサインオン、多要素認証、不正アクセス感知等、充実した機能を有しています。

『Auth0』を活用した問題の解決

【問題①】「販促」、「購入」、「購入後サポート」等のサービス毎に顧客IDがバラバラで、顧客情報のトレースと活用ができない
顧客単位でIDを管理するにあたりポイントとなったのは、顧客IDの紐付けとサービス毎の認証レベル設定です。 新規ユーザに関しては、セールスの初期段階で顧客IDを付与し、購買フェーズが進んでもその顧客IDで管理を行います。 A社の戦略として、見込顧客の段階から丁寧な応対品質を実現することで、購入者獲得に繋げています。既存顧客に関しては、 図1の「顧客管理基盤」の中で一元的に行い、下流システムも全てこの基盤を参照することで、顧客ID統合を図っています。 また、「販促」、「購入」、「購入後サポート」等のサービス毎に認証レベルを変え、顧客の利便性が損なわれない仕組みを構築しました。 『Auth0』は、前述の仕組みの中で、複数あった顧客IDの取込み系統を統合し、認証レベルを柔軟に設定することに貢献しました。

【図1 顧客ID統合全体イメージ】

【問題②】SSOやソーシャルログイン連携ができないことから、顧客の利便性が低い
『Auth0』は標準機能として備えている豊富なSDK(図2参照)により様々な機能を簡単に取り込むことが可能です。 例として、ログイン画面も柔軟に構築でき、自社カラーを出したログイン画面であっても簡単に作成することができます。
LINE、Google、Facebook等のアカウント使ったソーシャルログイン連携も容易に実装することができ、ユーザのログイン障壁を下げられることも魅力の一つです。

【図2 SDKの選択】

【問題③】多要素認証ができないため、セキュリティレベルが低い
『Auth0』は、ID・パスワードによる認証以外に、ワンタイムパスワードやSMSによる認証等も取り入れる多要素認証も標準的に機能を備えております。サービスにログインすると、SMSで認証コードが届いた経験がある方もいらっしゃるでしょう。そう、あれのことです。しかも、今をときめくノーコード/ローコード開発により、 わずか2ステップ(15分程度)で組み込むことが可能です。複雑な多要素認証を一から実装する場合と比べると、大きく工数を削減することができます。開発工数はコストに直接的な影響を与えるため、A社も利点を実感できました。

【図3 多要素認証設定方法】

導入効果

A社は、顧客ID統合を実現したことで、それまでバラバラだった「販促」、「購入」、「購入後サポート」の顧客情報を一元管理することができ、顧客の行動履歴の正確な把握が可能となりました。その結果、より効果的なマーケティングを推進できるようになり、効率的な営業活動にも繋がっています。さらに、ソーシャルログイン連携やセキュリティ向上により、 登録ユーザ数の増加という恩恵も受けることができました。
また、A社は次のステップとして、ディーラーのシステムと接続し、営業マンのリーチを増やすことに取り組んでいます。

導入の決め手

この案件において『Auth0』が採用される決め手となったのは、競合製品に比して価格メリットが圧倒的であることと、 パスワード認証等の実装できる機能が豊富であることでした。また、設定の自由度も高く、短期開発が可能である点も特徴です。
影響範囲が広いことから取り掛かるまでは何かと腰が重い顧客ID統合案件。ただ、一度実現してしまえば営業面でも管理面でも良いこと尽くしです。便利なソリューションの力を借りつつ、できるだけ省エネを実現していきたいですね

株式会社NTTデータにて、証券会社向けリテール基幹系システム、銀行向け投信窓販システムの開発に従事。現在は、複数のSaaSとアライアンスを組み、社内外のデジタルトランスフォーメーション案件を支援。Auth0とのパートナー契約を推進。

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