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シリーズ「人材不足への処方箋!」~第3回 答え合わせ型MVVでチームの絆を燃やせ!

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企業や組織で注目されるようになったMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)。上手に活用すると、組織の結束力が強まり、メンバーが同じ目的に向かって進むことができます。しかし、誤った捉え方で導入すると、MVVは絵に描いた餅になってしまうのです。オクトノットの人気シリーズ「人材不足への処方箋!」。第3回は、MVVを効果的に活用して、チームのエンゲージメントを高めたお話です。チームに社内公募で異動された畠山さんと近藤さんがどのようにMVVをチーム内で広め、成果を上げているのかをご紹介します。

MVVは内容よりも、どう作るか

-人材不足の処方箋として、「ミッション、ビジョン、バリュー」(=以下、MVV)を浸透させてエンゲージメントを高めていくという手段があると思いますが、どのようにお考えですか?

畠山さん 近藤さん、MVV嫌いですよね。

近藤さん ええ、嫌いです。

畠山さん どうしてですか?

近藤さん MVVを作れば、エンゲージメントが向上して、業績も上がるだろうという短絡的な考え方がまん延しているのがイヤなんです。そんなバカな話はないですから。相関関係を因果関係と取り違えているんですよ。

そのようなリーダーは、チームに着任したら、自分の思いを勝手に言語化して、明日からはこれが君たちのMVVだ、みたいなことをするんですよ。押し付けられた方は大迷惑です。

畠山さん 確かに、「これがあなたたちのMVVです」と急に言われても、驚きますよね。

近藤さん はい。スタートアップ企業のように、これからビジネスを立ち上げるから、MVVに共感できる人集まれ、というなら別ですが、歴史のある企業は、今までの歩みというのもあり、それらを尊重すべきです。


-では、MVVは作る必要はないということでしょうか?

近藤さん そんなことはありません。MVVは作り方が重要です。ポイントは2つ、「みんなで一緒に作ること」と、「今までの具体的な成功体験と結びついていること」です。

畠山さん
 みんなで一緒に作ることは理解できます。一体感とか、帰属意識も生まれますから。もう1つの具体的な体験と結びついているとはどういうことですか?

近藤さん
 日頃の仕事で実践していることです。ボトムアップで答え合わせ型のMVVを作ると言っても良いかもしれません。

デジタルタレントチームの場合、人材像定義や、People Analytics、組織開発などを取り扱っています。それらのオファリングのこだわりポイントとして、「個性を大切にしよう」、「科学的なアプローチをしよう」、「変革する組織になろう」という話を常にしています。というわけで、以下がデジタルタレントチームのMVVです。

図:デジタルタレントチームのMVV

畠山さん 日常を切り取って、MVVの一部にしたわけですね。

近藤さん はい。日頃、使っていない言葉や、心掛けてもいない行動をMVVに使っても、チームで浸透するわけがないですから。

畠山さん 確かに。私は、この中でも、近藤さんがチームのプロモーションビデオの中でも話をしている、社員を桜の苗木に見立てて、メンバーを育成して、全員が満開の桜の花を咲かせるという話が好きです。

実際にプロモーションビデオを作ってみた

-MVVは作り方がポイントということですが、なぜ、プロモーションビデオなんでしょうか。

近藤さん プロモーションビデオを作るためには、自分たちのアピールポイントを棚卸しなければなりません。成功体験や、自分たちの大切にしている行動を自然とみんなで洗い出すことになるからです。プロモーションビデオ制作という行為はMVVを見つめ直すことと似ているんですよ。

近藤さん そう思っていた矢先に、畠山さんが社内公募で来てくれて、動画編集のスキルがあるということを知って、チームのプロモーションビデオを作ってくれないかと打診しました。

畠山さん 副業でも動画を扱っていて、そのスキルが本業に活かせるのは嬉しいことなので、2つ返事でOKしました。

近藤さん 社内にも担当紹介の動画を出している部署もあるのですが、30分以上の長すぎるものだったり、一方的におじさんが話しているだけのものだったり。全然、魅力的ではないので、そういうものにしないのでくれ、とだけお願いました。

手前味噌ですが、想像以上に素晴らしい出来栄えだったので、YouTubeで社外にも公開しちゃいました。

畠山さん
 チームメンバーからの声は以下の通りです。
  ● 社内公募を迷っていたが、動画を見てどのような担当かが掴めて応募に踏み切れた
  ● 新たな視点で人材確保の取り組みをしている点で信頼&好感がもてた
  ● 完成したプロモーションビデオを見て自担当の魅力が新たに再認識できてよかった
  ● かっこいいプロモーションビデオが完成したので、色んな人に自慢しまくってます!

人材確保の観点でも、既存メンバーのエンゲージメントの観点でも、効果絶大です!そして、プロモーションビデオを制作した側としても嬉しかったです。

近藤さん 私は映画監督になった気分で楽しかったです。はい。

世界で1つだけのプロモーションビデオの作り方

-その後、「世界で1つだけのプロモーションビデオ制作」ワークショップを企画して、販売しはじめたんですね。

畠山さん デジタルタレントチームでは、稼働時間の一定割合を新規事業の企画など自分の好きなことに取り組める制度があるので、その枠を利用して企画しました。

近藤さん そのワークショップは、どんな特徴があるんですか?

畠山さん まずは、自分の組織のアピールポイントをハッシュタグとして洗い出します。その後、ディスカッションにより、ハッシュタグを磨き上げた後、構成案と出演者を決め、撮影に入ります。あとはその動画を私が編集してプロモーションビデオが完成するという流れです。

図:世界で1つだけのプロモーションビデオ制作ワークショップの流れ


畠山さん
 現在、他の組織向けにこの支援サービスを提供しています。プロジェクトオーナーが、ワークショップを実施していく中で、メンバーが自組織について、こんなにも熱い思いでいてくれたことが嬉しい、と喜んでいました。

その思いを映像にするわけで、身が引き締まりました。

-ありがとうございます。最後にひとことお願いします。

畠山さん 私は、この企画の立ち上げに参加できて、ラッキーでした。社内公募という選択した自分を褒めてあげたいです。

近藤さん デジタルタレントチームでは、個性を活かすということを掲げているので、畠山さんの個性、強みを活かすことができて、看板に偽りがないことを証明できて、ホッとしております。今後も一芸に秀でた方に来ていただいて、満開の桜を咲かせたいです。
<シリーズ「人材不足への処方箋!」 これまでの記事はこちら>

近藤 博一さん
NTTデータ  法人C&M事業本部 法人コンサルティング&マーケティング事業部 部長

20世紀末、NTTデータ通信株式会社(現在の株式会社NTTデータ)に入社。2002年のコンサルティング部門発足当初より、一貫してコンサルティング業務に従事。2020年に法人ソリューション分野のスタッフに異動し、人材面での取り組みに課題が多いことに衝撃をうけて、デジタルタレントチームを立ち上げ、現在に至る。

畠山 愛海さん
NTTデータ  法人C&M事業本部 法人コンサルティング&マーケティング事業部 主任
NTTデータ入社後、金融分野にて、上流システムエンジニアとして活躍。デジタルタレントチームの活動に賛同し、社内公募制度により異動する。副業でもある動画編集のスキルを活かし、「世界で1つだけのプロモーションビデオ制作ワークショップ」を企画し、リーダーとして活躍中。
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執筆 オクトノット編集部

NTTデータの金融DXを考えるチームが、未来の金融を描く方々の想いや新規事業の企画に役立つ情報を発信。「金融が変われば、社会も変わる!」を合言葉に、金融サービスに携わるすべての人と共創する「リアルなメディア」を目指して、日々奮闘中です。

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