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金融が変われば、社会も変わる!

コラム

現役大学生にイマを訊く!(2021年度版)

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生まれた時からインターネットが身近にあり、デジタルデバイスにも慣れ親しんでいるデジタルネイティブ。今後経済の中心を担うであろうこの世代にヒットするようなサービス・商品を生み出そうと、あらゆる企業が彼らの行動様式や価値観に注目しています。でも、机上調査だけでは実態はなかなか見えにくいもの…。海外の調査レポートも数多く出回っていますが、日本にも同様に当てはめてよいのか?と疑問に思うこともありますよね。
そこで、オクトノット編集部では、机上調査では掴みにくいリアルを探るべく、2020年度(2021年2月)に「いわゆるZ世代ど真ん中」の現役大学生に直撃インタビューを実施しました。しかし、若者のトレンド推移は早いもの。早速ですが、第2弾として現役大学生にイマの流行りを聞いてみました!

「Z世代」の一般的な定義などについてはこちらの記事もご参考ください。

いま何が流行っているの?

コロナ禍で外出機会が減り、学生生活も大変だと思います。皆さんの周りでは今どんなことが流行っていますか?ちなみに私は、音声配信プラットフォームの『Voicy』をよく聴いています。

僕もラジオは結構好きで『radiko』を使って聴いています。

ラジオは私も聴いています。芸能人が話している番組がメインですね。作業をしながらでも聴けるのがよくて、講義のレポートを書きながら聴いたりしています。ラジオ以外に音楽も聴きます。

オールナイトニッポンが『Podcast』での配信を始めるなど、ここ数年、ラジオ配信はまた盛り上がりを見せていますね。音楽を聴くときはサブスクリプション・サービス(以降、サブスク)を使っていますか?

サブスクですね。ネットでもアルバム単位で音楽を買えたりはしますけど、買わないです。『Spotify』などのサブスクが中心です。学生料金があるので『Amazonプライム(Prime Student)』も使っています。

僕も『Amazonプライム』ですね。音楽だけではなくて、自宅にテレビがないので、観たい番組を観たいときに見る、という使い方をすることが多いです。

同じく『Amazonプライム』は使っています。僕も動画を観ることが多いですが『Amazon Fire TV(Stick)』なら、簡単に観ることができて便利です。『Netflix』も使っています。

映像配信サービスのサブスクは皆さん使っているんですね。地上波のテレビ番組やYoutubeなど、他の映像コンテンツはいかがですか。

地上波のテレビ番組も『TVer』で見ます。朝は普通にテレビをつけて、身支度をしながらBGM的に流すこともあります。『Youtube』は芸能人の配信は見ることもありますけど、ユーチューバーの配信はあまり見ないですね。

『Youtube』は僕もあまり見ないですね。何となく『Youtube』を見てすごく盛り上がっているのはもう少し下の世代、高校生くらいのイメージがあります。TikTokとかもそうですけど。

マーケティングでは「Z世代」とか「若者」「デジタルネイティブ」と一括りにしがちですが、実際はもっと細かく趣向が分かれる。同じ20代でもTikTokにハマった層とそれほどでもない層とに分かれるタイミングが、まもなくやってくるわけですね。

そうだと思います。あとはエンタメ系ですと、周りで流行っているのは『ウマ娘』ですね。

私もやっていませんが、流行っているという話はあちこちで聞きます。『ポケモンGO』とか『ドラクエウォーク』はどうですか?

流行のピークがちょうど受験生の頃だったので、それもあって周りでやっている人は多くなかったかも。私自身はあまりゲームはやりませんが、やっている人はやっているという感じかなと思います。

そうですね。僕はゲームはやる方ですけど、デバイスは色々で、スマホのアプリでもやりますし、据え置き型のゲームもやります。今は『PS5』が欲しいんですけど、品薄で手に入りません(笑)。

流行を理解するためには自分自身でやってみないとだめですね(笑)。ちなみに学生生活はコロナ禍で色々と大変だと思いますが、良い面でも悪い面でも、生活に何か変化はありましたか。

卒業旅行ができないのが、一番残念です。環境が落ち着いたら、ぜひ旅行に行きたいですね。

大学生活も一変しましたが、一限の講義でも取りやすくなったことはオンライン授業のメリットかもしれません。きちんと学べるかどうかはさておき(笑)。

僕は、コロナ禍になって自炊の勉強を始めたんです。腕は上がってないかもしれないですが、料理をやる機会が増えたことは、1つの大きな変化ですね。

いまどきのコミュニケーション事情

『Twitter』や『Facebook』『Instagram』などのSNSは使っていますか。

誰かと繋がるようなタイプのSNSについては、私は一切やってないです。『Facebook』は周りでもやっている人はあまりいないですね。なんとなく、お父さんがやっているっていうイメージです。

『Twitter』はすごく使います。情報収集でよく使いますが、いま起きていることを調べるには『Twitter』に勝るものはないです。情報量は半端ではなくて、玉石混合しているとは思います。でもきちんと選別すれば、一次情報にかなり近いというか、テレビ局などを介さない生の声を直接聞けるところが、リアルタイム性もあって好きですね。

『Instagram』と『Twitter』は使いますけど、あまり発信はしていませんね。

僕の場合『Instagram』は非公開でやっているので知らない人と繋がるという感じではないです。繋がるとか、投稿するというよりは、調べごとに使っているかもしれません。旅行先でおいしい食べ物屋さんを探すときとか。

日常を発信したり、交流を広げたりというよりも、何かを調べるツールとしてうまく使っているという人も多そうですね。政治とか経済といったニュースも、基本はSNSから収集していますか。

『スマートニュース』を使っています。少なくとも新聞は見ないですね。

『日経電子版』を読んでいます。ネット上はフェイクニュースも含め、玉石混合なのは分かっているんです。だから、ある程度信頼できそうな情報ソースと、そうでない情報ソースを複数組み合わせて、最後は自分で判断するという感じです。

マーケット情報はよく見ますけど、基本はネットですね。

皆さんネットでの情報収集が中心のようですが、ブラウザの種類や『Siri』を使うなど、調べるときの行動で意識していることはありますか。

ブラウザは『ワイモバイル』なので『Yahoo!』ですね。

『Android』なので『Google』ですが、意識してブラウザを選んでいるというよりは、デバイスの標準になっているものをそのまま使っているだけです。

『Siri』は使わないですね。手で打って“ググる”方が早いと思うので。私は『Yahoo!』ですけど“ググる”。ネットで調べること=“ググる”は定着してますね(笑)

親しい人とのコミュニケーション手段はどうですか。皆さん『LINE』は使っていると思うのですが、前回は『Snapchat』を使っている方もいて、編集チームのメンバーも急いでインストールしました(笑)。

『LINE』はみんな使っていますね。『Snapchat』は使ってないですし、周りでも聞いたことないかも。連絡手段は基本『LINE』で、大学の研究室内は『Slack』という感じ。メールは普段使うことないですね。

金融サービス使っていますか?

このサイトは金融をテーマにしていることもあり、金融関連の質問もさせてください。金融は身近な話題ではないと思いますが、おそらく預金口座は持っていますよね。銀行ってどうやって選びましたか?

子供の時から持っていたゆうちょ銀行を使っていたんですが、アルバイトを始めるときに他の銀行口座を作る機会がありました。そのときは、支店が家から近いからという理由だけで選びました。

僕もメインはゆうちょ銀行です。理由は同じく子供の時から持っていたからです。

インターネットネット専業銀行をメインで使っています。ほとんどの手続きがネットで完結できるというのがすごくラクで。金利や手数料も有利なのかもしれませんが、どちらかというと使いやすさに魅力を感じて選びました。

預金以外で身近な金融取引だと決済(支払い)があると思いますが、みなさん普段買い物の時は何で支払いをしていますか。

『PayPay』で払えるなら基本『PayPay』ですね。便利なので。

僕も『PayPay』ですね。以前、ポイントの還元率がすごく高い時期がありましたが、周りでもあのときに作った人が多かったように思います。

僕は物理的なクレジットカードですね。

『PayPay』が2票!便利だからというコメントもありましたが、例えば『Suica』とか『PASMO』のような電子マネーだとかざすだけで支払いできますよね。

確かに言われてみればそうかも。でも、『Suica』にたくさんお金を入れることにちょっと抵抗感がありますね。

固定観念かもしれないけど『Suica』って電車だけっていうイメージがあるような気がします。それと、日常的にスマホを開く機会が多いので、スマホアプリで決済することにも慣れてしまっているという面もあるかもしれません。

私はコンビニでアルバイトをしているんですけど、年齢によってよく使われる支払方法は違いますね。会社員の人は『Suica』とか電子マネーでの支払が結構多い印象です。『PayPay』は世代的には20代くらいが多い。中高生は現金が多いですね。親が持たせてくれないといった理由もあるのかもしれないです。

自分が『PayPay』を選ぶ理由として、周りが使っているからというのはあるかもしれません。以前、紹介するとポイントもらえるからという理由で他の決済アプリも入れたことがあるんですが、定着していません。使える場所が多かったり、周りも使っていたりしないと、どこかで使わなくなってしまう。

飲み会の精算とか、友達同士でお金を送るときも『PayPay』ですか?

そこは現金ですね。

僕も。細かい端数まで精算しないし、ざっくりと現金でその場で払えちゃうほうが手っ取り早いというか。アプリを使っていない人が1人でもいるとややこしいのもあって。

なるほど。ちなみにAさんはクレジットカード派ということでしたが、他の方が使っていない理由として後払いへの抵抗感などはあったりしますか。

私もクレジットカード自体は持っています。初めて持った時は、少し抵抗感はありましたね。ただ、頻繁に買い物するわけでもないので利用状況が把握できていればいいかなと思うようになってきて。いまは『PayPay』のチャージにも使っていて、抵抗感はあまりないです。

僕もクレカは持ってはいます。キャッシュカードと一体型のデビットカードも持っていますけど、クレカの方がポイントも付くし、後払いには慣れてしまったかもしれません。でも、後払いと言ってもお金を借りてまで何かを買おうというイメージはあまりないですね。あくまで日常の買い物の範囲での話です。

最後に、急にお堅い話題になりますが、金融の世界でも社会課題の解決はとても大事なテーマになっています。皆さんが気になっている社会問題って何かありますか。

普段話をする機会はあまりないですが、SDGsはどの授業でもレポートのお題で出てきますね。領域は教授によって違いますが、例えば、新しく開発するロボットをSDGsのどこに生かせるのかとか。講義を通じて、SDGsは大事なんだなという意識は芽生えてきますね。

インタビューを通じて3名の大学生にお話を伺うことができました。母数が少ないため、今回聞いたことが同じ世代にあまねく当てはまるとは言えませんが、企業で働いているとなかなか聞くことができないリアルな声として、参考になることも多いのではないでしょうか。

数多あるコンテンツ(商品・サービス、情報も含めて)から、自分に合ったコンテンツを選び取り、自分に合ったタイミングで、自分の価値観に基づいて消費する。時代の流れとともにどの世代にも言えることではありますが、そういった感覚が自然に備わっているような印象を受けました。

同時に意識をしておきたいことは前回のインタビューでも感じたところですが、やはり価値観・行動様式は多様化しており、世代などの属性で一括りにすることは非常に難しいということです。また、『Youtube』や『TikTok』の話にもあったように、一見近い世代間でも趣向は異なり、細分化しています。

今後ますます、画一的ではなく、より一人一人のためにカスタマイズされたサービス・商品を生み出すことが求められるようになってくるのではないでしょうか。
<インタビュア>
オクトノット編集部(宮本・窪田・柳澤)
※本記事の内容は、執筆者および協力いただいた方が所属する会社・団体の意見を代表するものではありません。
※記事中の所属・役職名は取材当時のものです。
※感染防止対策を講じた上で取材を行っています。

新卒で都市銀行に入行し、個人向けコンサルティング業務に従事したのち、ネット専業銀行に転職。決済ビジネスを中心に、新規サービス企画や他企業との提携拡大、プロモーションなどを幅広く経験。その後、消費者嗜好や規制緩和などの環境変化を体感する中で、業界を超えたオープンな金融の仕組み作りに関心を抱き、NTTデータへ。
現在は金融業界のさらなるTransformationへ貢献すべく「金融を通じて世の中をより良くする」を志に、金融×デジタルを切り口としたトレンド調査や情報発信などに取り組む。CFP®・1級ファイナンシャルプランニング技能士として金融教育にも興味あり。

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