「金融が変われば、社会も変わる!」を合言葉に、未来の金融を描く方々の想いや新規事業の企画に役立つ情報を発信!

金融が変われば、社会も変わる!

実践に学ぶ

シリーズ「人材不足への処方箋!」
~第4回 遊び心で学びを変える!ゲーミフィケーションを活用した人材育成のすすめ!

画像

どんなに素晴らしい内容でも知識やコンテンツを詰め込み過ぎた研修では、覚えることが多過ぎて、いつまでも心に残ることは難しいのではないでしょうか。オクトノットの人気シリーズ「人材不足への処方箋!」。第4回は、オリジナルのカードゲームを活用したユニークな研修をご紹介します。DX推進に必要なスキルを楽しく学ぶお話です。あなたの会社や職場でもぜひ取り入れてみませんか。

カードゲームを作ったきっかけは?

西沢さん DX化推進のためのマインド変革研修、お疲れさまでした。

近藤さん山室さん ありがとうございます。

西沢さん オリジナルのカードゲームを使ってDX化推進を学ぶという、非常にユニークな研修ですね。そもそもこの取り組みはどのようにして始まったのですか?

近藤さん NTTデータらしくないでしょ。それも狙いの1つです。

実は、このカードゲーム自体は2019年夏のインターンシップに参加した学生の考案なんです。2020年に制作され、ニュースリリースも出しているんですよ。

近藤さん
 ところが、積極的に売り出そうとした矢先にコロナウイルスが猛威を振るい始め、対面での研修をやっている状況ではなくなりました。

西沢さん それは、大変でしたね。

近藤さん
 ええ。発注したカードゲームは、私のロッカーに山積みになりました。そして、ニュースリリースに掲げていた『国内企業の年間総労働時間100万時間削減に貢献』という目標はなかったことにしちゃいました。

新生!DX人材育成研修

近藤さん コロナが落ち着いた頃に改めて売りに出そうかと思ったら、RPAブームは過ぎ去り、今さらRPAなのか、という雰囲気になっていました。そこで、RPAという個別のソリューションではなく、コロナ禍で急速に浸透した“DX推進”というキーワードで全体的な取り組みにカリキュラムを変更し、ひっそりと活動を再開したのです。

山室さん そんなとき、ちょうどお客様からニュースリリースを見て問い合わせがあり、研修を実施することになりました。

近藤さん ところが直前に研修時間が2.5時間から2時間に短縮されて、少々焦りましたね。

     図:DX人材育成研修 タイムテーブル


西沢さん
 肝心のカードゲームはどのような内容なんですか?

山室さん 基本ルールは、各プレイヤーが与えられた業務を人間とデジタル技術(RPA)を使って遂行し、完遂すると報酬がもらえるというものです。コストを差し引いた分が利益となり、その利益を競い合います。

それぞれの業務には、人が実施するときに必要な工数と、デジタル技術を使ったときの工数とがあり、業務ごとに人とデジタル技術の業務について最適なバランスを見つけると、利益が最大になります。人間に向いている仕事は人間中心に、ロボットに向いている仕事はロボットに任せるという考え方です。

ただし、途中で突発的に起こるリスクイベントも考慮しながら意思決定していくゲームです。


山室さん
 イベントには、最近特に重要視されている「コンプライアンス違反」や、ヘッドハントによる社員の突然の退職など、日常業務で実際に起こりうる事象が含まれています。例えば、管理者不在の「野良ロボット」と呼ばれるガバナンスの問題なども取り上げています。このように、ゲームを通じて身近で起きた出来事を共有したり学んだりすることで、楽しみながら学べる一石二鳥の内容です。

西沢さん 近藤さん、補足はありますか?

近藤さん いや、ないです。山室さんには、RPAに特化した個別カリキュラムからDX推進全般対応に変えるに当たり、ルールの微調整をしてもらっているので、もはや、山室さんがルールブックみたいなものです。

強いて言えば、“サボリーマン”というイベントカードは、私がモデルになっているんですけど、ゲームをしていると、“こいつ要らない”とか言い出す人が必ずいるので、少しばかり、おおらかな気持ちでゲームしてほしいと思っています。多様性ということでw

ココロに残る研修を目指して

西沢さん 実際に研修を受けた方々の反応や評判はいかがでしたか?

山室さん 受講者からは、一方的な講義ではないので集中して研修を受けることができたとか、ゲームを通して自分自身の担当の状況を考えることができたとか、ゲームとしても思いのほか楽しめたので職場でもやりたい、など好意的な意見がほとんどでした。

近藤さん
 デジタルタレントチームでは、効果的な育成の手段として、今回のカードゲームのようなゲーミフィケーションを積極的に取り入れていて、単なる座学やe-ラーニングでは実現できない効果を確認しています。内容の良し悪しよりも、ココロに残るかどうか、感情を揺り動かされるかどうかが育成のポイントなんですよ。一生懸命、コンテンツを詰め込んで、研修を台無しにしている事例が多いので、ぜひ世の中に広めていきたいです。

近藤さん 実際のところ、遊び心のない、つまらない研修って、中身は良くても頭に入らないんですよね。

西沢さん
山室さん そうそう、眠くなっちゃう。

近藤さん 研修と言うと、高尚だけれども、つまらなすぎて寝てしまうものが多いのですが、高いお金を払って寝ているなんて、こんなもったいない話はないと思います。今回は、誰も寝かさずに済んだので満足しています。


山室さん
 また、単純にツールを導入すれば良いわけではないというDX推進のポイントが、カードゲームを通じて理解できたという意見もありました。

西沢さん 事務局の方も、ゲーム中に発生するイベントが本当によく考えられているというお褒めの言葉を頂きましたね。

近藤さん もともとこのカードゲームのコンセプトが、実際の現場で起きている“あるある”を再現しているので、私たちがこれまでにコンサルティングしてきた実案件での出来事を抽象化しています。当たり前ですが、誉められるとやっぱりうれしいです。

西沢さん 講師陣と飲みに行きたいとか、山室さんの声がステキとかいう意見もありました。

近藤さん山室さん ありがとうございます!
西沢さん 最後に、今後の展開予定を教えてください。

山室さん 現場での“DXあるある”を反映したカードゲームのため、ルールが少し難しくなっています。ルールを理解しやすくするための動画作成や、ルールをシンプル化することを検討しています。

西沢さん
 動画が完成するのは楽しみですね。やはり、デジタルタレントチームのプロモーションビデオと同様にYouTubeにて公開するんですか。

山室さん
 はい、そのつもりです。

近藤さん
 すみません、ルールを難しくしてしまって。山室さんに期待しております。

でも、“DXあるある”に現実味を持たせようとすると、必然的にルールは難しくなるんですけどね。ぶつぶつ。


近藤さん
 すみません、唐突ですが、告知していいでしょうか?

西沢さん どうぞ。

近藤さん
 先程も申し上げたように、このカードゲームはインターン生とともに制作したものですが、2025年の夏に6年ぶりに復活させようと思っています。どこよりも面白いインターンシッププログラムを目指しており、大学生・大学院生の方は必見です。ぜひお楽しみに!

西沢さん
 このゲームを制作したインターン生って、現在、NTTデータで働いているんですよね。

近藤さん
 はい。こちらが取扱説明書にも載っているインターン生のイラストです。


西沢さん
 本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

近藤さん山室さん ありがとうございました!

シリーズ「人材不足の処方箋!」 第1回~第3回はこちらから

近藤 博一 さん
NTTデータ コンサルティング事業本部 組織・人材マネジメントユニット 部長

20世紀末、NTTデータ通信株式会社(現在の株式会社NTTデータ)に入社。2002年のコンサルティング部門発足当初より、一貫してコンサルティング業務に従事。2020年に法人ソリューション分野のスタッフに異動し、人材面での取り組みに課題が多いことに衝撃をうけて、デジタルタレントチームを立ち上げ、現在に至る。

山室 仁美 さん
NTTデータ コンサルティング事業本部 組織・人材マネジメントユニット 主任

NTTデータ入社後、約3年既存領域へのリマーケティングをミッションとするチームで、データセンタ関連のコンサルティング営業に従事。コロナ禍では、オンラインでもデータセンタ見学ができるようVRツール作成、"出社したくなるオフィス"の企画・実施など幅広く取り組む中で、イキイキ楽しく働ける職場なら、どんな目標でも達成できることを実感し、働き方改革というテーマでデジタルタレントチームに参画、現在に至る。

西沢 真理子 さん(インタビュアー)
NTTデータ コンサルティング事業本部 組織・人材マネジメントユニット 課長代理
NTTデータ入社後、金融分野にてシステム開発に従事。その後、システム開発のスキルを活かし、防災領域の新規事業D-Resilio®を企画・構想から実行まで一貫して担当するなかで、働く人と環境の組み合わせによる影響について深く探求したいと思うようになり、デジタルタレントチームに参画。現在はPeople Analyticsのアセスメントツール導入の責任者として活躍中。
画像

執筆 オクトノット編集部

NTTデータの金融DXを考えるチームが、未来の金融を描く方々の想いや新規事業の企画に役立つ情報を発信。「金融が変われば、社会も変わる!」を合言葉に、金融サービスに携わるすべての人と共創する「リアルなメディア」を目指して、日々奮闘中です。

感想・ご相談などをお待ちしています!

お問い合わせはこちら
アイコン